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筆者プロフィール
KEN_yokohama 春に咲く可愛らしいパンジーの花言葉はフランス語で 「パンセ」思考、物思いです。 つぼみの形が、人が頭を垂れて考えている姿に似ているところからきているそうです。 物思いは誰にも邪魔されない自由な時間。 パンジーは春の陽射しを浴びながら 何を思っているのでしょうか。 ■気持ち良くケアするために ~呼吸と瞑想で素の自分にもどる~ 三寒四温が続きながらもようやく心待ちにしていた春がやってきました。今日は東京も桜が満開で気持ちが良い陽射しを感じています。 さて、毎月「はじめての介護」をお読みいただきまして、ありがとうございます。 この連載も緊張しながら綴らせていただいてまいりましたが、まもなく2年が経ちます。皆さまには心より感謝いたしております。毎回何か1つでも介護に関わる皆さまの“エールになれば”と心がけています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 皆さんは日頃静かな時間を持っていますか?介護される方のお話を聞き終わる頃に、「ところで、ご自身のための時間を大切にしていますか?」と尋ねさせていただくことがあります。誰かのために頑張るためにも、自分の心や体にも耳をすませ“わたし”を保ちたいものですね。介護や看護に限らず人生には様々な局面があり、平静な自分を見失うことや、強い力に流されてしまうことがあります。肩に力が入りすぎていませんか?イライラしていませんか?そうせねばと抱え込んでいませんか?肩の力を抜いてリラックスし、背筋をすっきり伸ばして自然体の自分でいられたら、介護も仕事も毎日の暮らしももう少し楽になるのかもしれません。ところがありのままであることや、緩めることはなかなか難しいもの。心も体もリラックスするためには、多忙な私達にどんな方法があるのでしょうか。 私達の心や体を「リラックスした状態」にするためには「ゆっくり呼吸すること」があります。単純な方法だと思われましたか?呼吸は体に必要な酸素を取り入れていますが、それだけではありません。ゆっくりと呼吸することにより自律神経が体をリラックスした状態にし、心もリラックスへと導き気持ちが次第に落ち着きます。脳内にあるセロトニンの働きも活性化され、分泌したセロトニンは抗重力筋の活性化を促すことになり、いつまでも若々しさを保つことにつながります(参考図書1)。 また、プロスタグランジンI2という物質が出て、血圧が下がることも実証されています(参考図書2)。つまり、自分でリラックスしようとしてもなかなかできないけれど、呼吸をすることで心をコントロールすることができるのです。私自身も振り返ってみると様々な体験を乗り越える度に、この呼吸に助けられてきました。12歳からのフルートや合気道、30歳を過ぎてから続けているヨーガも全て腹式呼吸に関係しています。例えばヨーガを続けていくと、体と呼吸に意識をむけるようになります。そうすると体が必要とするものや心の状態に敏感になり、自分を客観的に観察する「もう1人の自分」を育てることにも繋がっていきます。 参考図書1:脳からストレスを消す技術 サンマーク出版 有田秀雄 参考図書2:実践呼吸の奥義「吐く息」が奇跡を生む 永田晟 ■吐く息をゆっくり長く 実践編 日頃あたりまえにしている呼吸に意識を向けてみましょう。 ・ゆったりと腰かけ背筋を伸ばしてください。 ・両手はモモの上にのせて目を閉じます。 ・自分の呼吸に意識を向けましょう。 ・ゆっくり息をはいてお腹をへこませてゆきます。 ・呼吸は「意識的にゆっくり長く息を吐く」。引き締めた腹筋をゆるめると息が入っていきます。 ・この吐いて吸っての呼吸をゆっくり最低20回試してみてください。 ~呼吸をコントロールすれば心をコントロールできます~ 毎日の食事で上手にエネルギーを体に取り込むのと同じように、私たちは生まれてから息を引き取るまで毎日毎時間呼吸をしています。そのことを味方につけない手はないでしょう。医療や介護の現場でも呼吸などのバイタルサイン(※1)は観察の基本となり、呼吸にはその人の心と体が現れます。 (※1)バイタルサイン 医学用語で「生きている証し」。看護師は毎日定期的に患者さんから呼吸、心拍、体温、血圧、この4つを観察します。 ■何もしない聖なる時間作りを 私は呼吸に意識を向けた静かな瞑想の時間作りを心がけています。 日本にはお寺で禅僧が行う禅があります。仏陀は菩提樹の下で瞑想して悟りを開きました。キリスト教徒は教会で祈りの時間を持ちます。アメリカインディアンの人々は毎日の暮らしの中で、動きを止めて静止する聖なる時間をもつことを祖先から受け継がれたメディスンとして大切にしています。子どもの頃から森の中に聖域を見つけ出し、1人で出かけて聖なる時間を持つことを習慣づけて育てているそうです。ケルト民族も1人で森の奥にこもったと伝えられています。 私自身も何かを得るために瞑想を行っているのではありませんが、瞑想を行っている時や終えた後、何とも言えない身軽な心の状態を感じます。これはかけがえのない宝物です。自宅では白檀などの香りの中で波の音を聴きながら行います。波の音は地球の鼓動、自分が広い宇宙に生きていることを感じます。深い香りは人間の歴史を感じさせ、安堵感を得ます。室内の空気も浄化されます。人生の重い荷物をひとまず降ろして何もない素の自分にもどる時間。あるのは“今”の素の自分だけです。瞑想を続けることで、降ろした荷物が本当に必要なものなのかを見つめられるようになります。私たちはあまりにも物欲や利便性を重視し、自然との調和を忘れていることにも気がつきます。 何もしない時間を持つことは多忙な現代社会の中では何よりも難しく至難の技かもしれません。それでも日々の気持ちはひとまず置いて、15分テレビを消し、15分早起きし、静かに目を閉じてみませんか? 心と体が健やかにあろうとしていることに、この世に生まれてきたそれぞれの意味や素晴らしさに、きっと気がつくことと思います。 一生懸命ケアする尊い時間を与えられた方々に、静かな時間から大切なものが得られることを願っています。 ---------------------------- ・今月の生き生きしたお花の写真も“KEN’s Office”の大澤 憲さんにご協力いただきました。 ・忙しくて選んでいる時間のない方のために おすすめCD「ポリネシアンスパ」は全曲に寄せては返す波の音が流れ、女性の歌声が 柔らかく心に響きとてもリラックスできます。 ~ 小鳥ではなく鷲の道を求めよ ※ ~ オマハ族の格言 些細なことに不平不満のもとを見つけるのではなく、大空に飛ぶ鷲になったつもりで人生を達観してみよう。 そうすれば、周囲の美しさに気がついたり、思いがけない視点や視野が開けてくる。
春に咲く可愛らしいパンジーの花言葉はフランス語で 「パンセ」思考、物思いです。 つぼみの形が、人が頭を垂れて考えている姿に似ているところからきているそうです。 物思いは誰にも邪魔されない自由な時間。 パンジーは春の陽射しを浴びながら 何を思っているのでしょうか。
三寒四温が続きながらもようやく心待ちにしていた春がやってきました。今日は東京も桜が満開で気持ちが良い陽射しを感じています。 さて、毎月「はじめての介護」をお読みいただきまして、ありがとうございます。 この連載も緊張しながら綴らせていただいてまいりましたが、まもなく2年が経ちます。皆さまには心より感謝いたしております。毎回何か1つでも介護に関わる皆さまの“エールになれば”と心がけています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
皆さんは日頃静かな時間を持っていますか?介護される方のお話を聞き終わる頃に、「ところで、ご自身のための時間を大切にしていますか?」と尋ねさせていただくことがあります。誰かのために頑張るためにも、自分の心や体にも耳をすませ“わたし”を保ちたいものですね。介護や看護に限らず人生には様々な局面があり、平静な自分を見失うことや、強い力に流されてしまうことがあります。肩に力が入りすぎていませんか?イライラしていませんか?そうせねばと抱え込んでいませんか?肩の力を抜いてリラックスし、背筋をすっきり伸ばして自然体の自分でいられたら、介護も仕事も毎日の暮らしももう少し楽になるのかもしれません。ところがありのままであることや、緩めることはなかなか難しいもの。心も体もリラックスするためには、多忙な私達にどんな方法があるのでしょうか。
私達の心や体を「リラックスした状態」にするためには「ゆっくり呼吸すること」があります。単純な方法だと思われましたか?呼吸は体に必要な酸素を取り入れていますが、それだけではありません。ゆっくりと呼吸することにより自律神経が体をリラックスした状態にし、心もリラックスへと導き気持ちが次第に落ち着きます。脳内にあるセロトニンの働きも活性化され、分泌したセロトニンは抗重力筋の活性化を促すことになり、いつまでも若々しさを保つことにつながります(参考図書1)。 また、プロスタグランジンI2という物質が出て、血圧が下がることも実証されています(参考図書2)。つまり、自分でリラックスしようとしてもなかなかできないけれど、呼吸をすることで心をコントロールすることができるのです。私自身も振り返ってみると様々な体験を乗り越える度に、この呼吸に助けられてきました。12歳からのフルートや合気道、30歳を過ぎてから続けているヨーガも全て腹式呼吸に関係しています。例えばヨーガを続けていくと、体と呼吸に意識をむけるようになります。そうすると体が必要とするものや心の状態に敏感になり、自分を客観的に観察する「もう1人の自分」を育てることにも繋がっていきます。
参考図書1:脳からストレスを消す技術 サンマーク出版 有田秀雄 参考図書2:実践呼吸の奥義「吐く息」が奇跡を生む 永田晟
日頃あたりまえにしている呼吸に意識を向けてみましょう。
・ゆったりと腰かけ背筋を伸ばしてください。 ・両手はモモの上にのせて目を閉じます。 ・自分の呼吸に意識を向けましょう。 ・ゆっくり息をはいてお腹をへこませてゆきます。 ・呼吸は「意識的にゆっくり長く息を吐く」。引き締めた腹筋をゆるめると息が入っていきます。 ・この吐いて吸っての呼吸をゆっくり最低20回試してみてください。 ~呼吸をコントロールすれば心をコントロールできます~
毎日の食事で上手にエネルギーを体に取り込むのと同じように、私たちは生まれてから息を引き取るまで毎日毎時間呼吸をしています。そのことを味方につけない手はないでしょう。医療や介護の現場でも呼吸などのバイタルサイン(※1)は観察の基本となり、呼吸にはその人の心と体が現れます。
(※1)バイタルサイン 医学用語で「生きている証し」。看護師は毎日定期的に患者さんから呼吸、心拍、体温、血圧、この4つを観察します。
私は呼吸に意識を向けた静かな瞑想の時間作りを心がけています。 日本にはお寺で禅僧が行う禅があります。仏陀は菩提樹の下で瞑想して悟りを開きました。キリスト教徒は教会で祈りの時間を持ちます。アメリカインディアンの人々は毎日の暮らしの中で、動きを止めて静止する聖なる時間をもつことを祖先から受け継がれたメディスンとして大切にしています。子どもの頃から森の中に聖域を見つけ出し、1人で出かけて聖なる時間を持つことを習慣づけて育てているそうです。ケルト民族も1人で森の奥にこもったと伝えられています。 私自身も何かを得るために瞑想を行っているのではありませんが、瞑想を行っている時や終えた後、何とも言えない身軽な心の状態を感じます。これはかけがえのない宝物です。自宅では白檀などの香りの中で波の音を聴きながら行います。波の音は地球の鼓動、自分が広い宇宙に生きていることを感じます。深い香りは人間の歴史を感じさせ、安堵感を得ます。室内の空気も浄化されます。人生の重い荷物をひとまず降ろして何もない素の自分にもどる時間。あるのは“今”の素の自分だけです。瞑想を続けることで、降ろした荷物が本当に必要なものなのかを見つめられるようになります。私たちはあまりにも物欲や利便性を重視し、自然との調和を忘れていることにも気がつきます。
何もしない時間を持つことは多忙な現代社会の中では何よりも難しく至難の技かもしれません。それでも日々の気持ちはひとまず置いて、15分テレビを消し、15分早起きし、静かに目を閉じてみませんか? 心と体が健やかにあろうとしていることに、この世に生まれてきたそれぞれの意味や素晴らしさに、きっと気がつくことと思います。 一生懸命ケアする尊い時間を与えられた方々に、静かな時間から大切なものが得られることを願っています。
---------------------------- ・今月の生き生きしたお花の写真も“KEN’s Office”の大澤 憲さんにご協力いただきました。 ・忙しくて選んでいる時間のない方のために おすすめCD「ポリネシアンスパ」は全曲に寄せては返す波の音が流れ、女性の歌声が 柔らかく心に響きとてもリラックスできます。
~ 小鳥ではなく鷲の道を求めよ ※ ~ オマハ族の格言 些細なことに不平不満のもとを見つけるのではなく、大空に飛ぶ鷲になったつもりで人生を達観してみよう。 そうすれば、周囲の美しさに気がついたり、思いがけない視点や視野が開けてくる。
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