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はじめての介護

高齢期の住まいシリーズ「特別養護老人ホームその1」

筆者 川上氏のコメント

 

  • 夕暮れ、由比港より出航の風景
    夕暮れ、由比港より出航の風景
    漁が始まると町中が活気づいて私も嬉しくなります。
    私の大好きな故郷の風景です。

    photo by 由比桜えび写真コンテスト
    優秀賞 南条英世様
  • 天日干しの風景
    収穫した桜えびの天日干しの風景
    右後方にうっすらと富士山
    由比の街には遠く昔から自然の恵みに
    感謝しながら労働する人々がいます。

    photo by 由比桜えび写真コンテスト
    最優秀賞 漆畑淑男様

今月の活き活きとした写真、いかがでしょうか。動きを感じる素晴らしい撮影ですね。
ご協力いただきました皆様に心より感謝いたします。ありがとうございました。

写真提供:由比桜海老商工業協同組合提供
由比港漁協 : http://www.jf-net.ne.jp/soyuikougyokyo/index.html
由比桜海老商工業協同組合 : http://power-dream.com/sakuraebi/index.html

 

■高齢期の自分らしい暮らしのために

・生活の場

「退院を迫られましたが自宅に戻って介護は難しいです。特別養護老人ホームは空きがなく2~3年待ち、どうしたらよいのでしょう。」
「将来子供に介護を頼もうとは思っていません。どんな高齢者用の住まいがあるのでしょうか。」
「有料老人ホームってどんなところ?費用は?サービスは?」
「要介護2の母の希望は自宅で過ごすこと、お風呂とトイレが安全に入れるようにリフォームしたいのですが。」
相談内容の多くには高齢期の住まいに関するご相談が含まれています。誰もが住み慣れた自宅で最期まで暮らしたいと考えていますが、ライフスタイルの変化にともなって住居環境も変わっていきます。実は住みやすい環境、暮らしやすい住宅は、高齢だからこそ必要になります。住まい選びの視点は若い世代とは大きく異なり、住んで健康だけではなく、安心や残存機能を生かしながらの自立がテーマに加わります。
今月からは高齢期の住まいに関する情報をお伝えいたします。体の状態や状況を考えながら、快適に自分らしく暮らせる生活の場を選ぶことができるために、参考になさってください。

 

■介護保険で利用できる3施設サービス

介護が必要になったら介護保険で利用できる施設に入所することができます。 どのような介護が必要かによって、3種類の施設に分かれます。

 

名称 内容
介護療養型医療施設 急性期の治療を終え慢性の病気によって長期入院療養を必要とする人のために、医療、介護、リハビリを提供する病院。
2012年までに廃止の方向で整備中です。
介護老人保健施設 病院から自宅に戻るための中間施設。家庭復帰を目指した生活リハビリを行う。
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
寝たきりや認知症など介護が必要な高齢者が、長期にわたり介護を受けられる施設。

 

■特別養護老人ホーム“特養”ってどんなところ?

皆さんは“特養”ってどんなところかご存知でしょうか?
知っているようで正確に理解できている人は少ないようです。今月は皆さんのお住まいの近くに運営されています「特別養護老人ホーム」についてご紹介します(特養は特別養護老人ホームの略語です)。

 

■費用負担が少なく待機者の多い 特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)

寝たきりや認知症などの高齢者が、長期にわたり介護を受けられる施設です。
介護のプロが毎日の生活を支援し介護サービスなどを提供してくれます。介護が必要となった時にこそ期待したい介護施設ですが、残念ながら待機者は年々増加し全国で約41万人、入所まで年単位の待機を必要とされます。いざ介護が必要となってもすぐに入所できるものではなく、早目の申請、待機が必要です。また誰もが入所できる訳ではなく、介護度が高い方が優先されます。入所する際にまとまった費用はかかりませんが、毎月の費用は10万円近くかかります(居室や所得による)。


■全国の特別養護老人ホームの検索 WAM-NET
   http://www.wam.go.jp/
  ※お住まいの地域の市区町村の窓口でリストを入手できます。

 


【利用できる人はどんな人?】

要介護認定1以上
介護度の重い方が中心の介護施設です。
身体上、精神上に著しい障害があり自宅では適切な介護を受けることが困難な方が入所できます。入所は申し込み順ではなく、ポイントによる判定で必要性の高い方が優先となります(要介護度の高い方、家族の介護力の低い方など)。終の住処になりますが、長期に入院が必要になると、退所しなければならないこともあります。


【どんな施設?】

食事、入浴、排泄の介護、リハビリやリクレーション活動、健康管理、療養上の世話など日常生活上のケアが受けられます。生活する場所は1~4人室、個室が用意されています。食堂、浴室の他に、医務室やリハビリ室があり、医師、看護師、介護職員、ケアマネジャーが配置されています。近年は、新型特養タイプが増えてきていますが、こちらは全室個室でユニットケア(※1)が行われています。

(※1)ユニットケア
個人の自立を尊重するため1ユニット10人以下の少人数に分かれてケアが行われます。
個人のプライバシーが確保されやすいというメリットがあるが、従来の4人室と比べ居住費が割高となり、
利用者の負担が高いというデメリットもある。


【運営主体】

特別養護老人ホームを設置できるのは社会福祉法人、都道府県、市区町村に限られていましたが、近年病院や医院を運営する医療法人にも小規模な特養が設置できるようになりました。


【費用はどのくらいかかるの?】

  • 費用はどのくらいかかるの?

※居住費は家賃、光熱水費に相当します。
・要介護度によって介護サービス費が異なります。
・個室か多床室等居室のタイプによって金額が異なります。
・食費、居住費の金額は、各施設で設定されています。

例えば要介護3の人が東京23区内の施設に入所した場合、約74,000円/月と日常生活費が必要となります。
<費用の内訳>
介護保険1割負担分:約23,760円+居住費:約10,000円(個室の場合は約15,000~40,000円高くなります)+食費:約40,000円

※費用は地域や課税、収入状況、要介護度により異なります。

 

要介護度 介護保険1割負担分目安
要介護1 19,530円
要介護2 21,660円
要介護3 23,760円
要介護4 25,890円
要介護5 27,990円

参考:東京23区内・多床室の介護サービス費 (お住まいの地域によって多少金額の差があります)

 


【どこに相談すればよいの?】

各市区町村の介護保険窓口および地域包括支援センターか各施設、担当のケアマネジャーにご相談ください。


【入所の際の注意事項】

以前は措置制度でしたが2000年の介護保険開始以降は個人で選択、契約が可能となりました。
入所は、申し込み順ではなく、評価基準に基づき在宅における介護が困難な状況を得点化して、ポイントの高さで最上位から順に入所になります。入所の申し込みは1ヵ所ではなく複数ヵ所を認めています。各ホーム毎それぞれの特徴がありますので、実際のホームを見学し介護者、施設長、入所者などの話もうかがって検討しましょう。近所の住民の口コミ情報も大切です。


【ホームの詳細な情報】

介護サービス情報
基本情報ですが2006年より介護サービス情報を公開しています。参考にすることができます。
■「全国介護サービス情報公表サイト」
  http://www.espa-shiencenter.org/preflist.html

第3者評価
さらに詳細な情報は第3者評価という情報を参考にすることも可能です。
■全国の第3者評価リンク集
  http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/hyoka/hyokalink.htm

■「東京都福祉サービス第3者評価」
  http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/hyoka/hyokatop.htm

■一例:都内ホームの評価報告書をご参考ください。
  福祉サービス第3者評価結果報告書
  http://www.city.chiyoda.tokyo.jp/service/pdf/d0008632_4.pdf

 

何となく知っている特別養護老人ホームが少し明確になりましたでしょうか。
誰にとっても自宅で過ごすことが願いでしょう。しかし在宅で24時間の介護が必要となれば身体的、精神的、経済的にも負担が高くなってしまいます。重介護を必要とされる方にとっては施設を活用することで入浴や食事なども介護職の専門のサービスが受けられ、家族の負担も軽減できます。また、地域の特別養護老人ホームでのショートステイを利用することで在宅での暮らしが継続できている人もいます。自分で自分の老後を考えるためにも大切な情報です。
来月は具体的な特別養護老人ホームをご紹介いたします。

 


 

自分に透き通った風を ~春のおでかけ~
  • 日光東照宮 仁王門裏側の銀と青色の狛犬の口は吽(ウン)
    日光東照宮
    仁王門裏側の
    狛犬の口は吽(ウン)

陽射しが爽やかな季節になりました。透き通った空気を吸いたくなり、浅草からスペーシアに乗って日光東照宮にでかけてきました。日光東照宮は家康公の遺言に従い造営された社。大きな杉に囲まれながら神聖な空気を吸い込み境内をゆっくりお散歩しました。山内のいたるところで出会う動物や霊獣の彫刻や絵画の数々、どれも美しくそれぞれに込められているメッセージはなんだろう?心がぐんぐん引き込まれます。
“見ざる言わざる聞かざる”の三猿など16体には人の生き方を、国宝“眠り猫”からは平和をと、徳川幕府の強いメッセージが込められているそうです。人生の絶望を感じている猿を友が支えている彫刻のモチーフに目が留まりました。とても素敵です。これまで私が助けられてきた友の顔や数々の場面が思い出され、なんだか胸が熱くなりました。いつの時代にもある人の優しさと強さと友情に勇気づけられます。豪華なのに何故か親しみやすさを感じるのは、その時代に生きた人々の想いや願いが込められているからでしょうか。
寺院を守る狛犬は右側が阿(アー)、左側が吽(ウン)という口の形をしています。サンスクリット語の1番最初の文字が阿、終わりが吽、はじめから終わりを表しているそうです。人生も生まれて始まり、長い年月の中で様々な体験や智慧を得て、誰にも平等におしまいがあります。特に吽(ウン)の迎え方が大切と感じている私は、この左側の狛犬さんを1枚撮影。私たちは阿と吽の間に何を得て何を残してゆくのでしょうか…。
境内を巡り仏様に手を合わせていると自分の気持ちが整理されてゆくようです。慈愛に満ちた千手観音様には特に念入りに手を合わせます。
世を想い、人を想い、春には春の風を、心の窓を開けて透き通った風を自分に届けてあげたいですね。