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筆者プロフィール
高齢期のからだの変化を知りましょう! ~加齢には個人差・男女差・時代差があります~日本の高齢化率は現在21%。少子化と高齢者人口の増加により、今後もこの数値は年々上昇する見込みで、2015年には高齢化率26%と、約4人に1人が高齢者という時代が到来します。その傾向を垣間見るように、電車やバス、デパート、リゾートなど、どんなところでもアクティブでハツラツとしたシニアを多く見かけるようになりましたね。反面、時間や組織などに縛られずに自分の時間を自由に使えゆとりあるステージにもなり、余裕が生まれます。また、体験や知識に裏付けられた風格が生まれ、その人なりの個性がはっきりしてきます。若い頃からの積み重ねが心や生活にも影響してくる時代でしょう。 しかし、健康そうに見えても残念ながら私たちのからだの中では、細胞の数の減少や臓器の萎縮などが起き、からだの動きや抵抗力、適応力などが鈍ってきます。 個人差や男女差が激しいのも高齢期の特徴です。80歳でも若々しくハツラツとしている方もいれば、50代でも老け込んで活気のない方もいらっしゃいます。また、男性は徐々に老化が進行する傾向がありますが、女性は50代に閉経とともに女性ホルモンが減少し、急激に老化が進みます。男性よりも女性ホルモンの値が下がる方もいます。それでも国際的に見ると日本人の加齢は美しいと言われていますね。その上、日本は平均寿命男性78歳、女性85歳と長寿国№1なのです。 時代を超えてみましょう。100年前の平均寿命はいったいどの位だったと思われますか?なんと男性43歳、女性44歳。あくまで平均の寿命ですが、戦後の健診や医療技術が進み、衛生状態もぐっと良くなったことなどが影響していますね。また、20年前の70歳と現在の70歳でも大きな違いがあることにお気づきでしょう。つまり、私たちは変化する自分のからだと長い時間付き合う時代に生きているということです。 ※高齢者とは一般的に65歳以上の方を指しています。 加齢による心の変化を理解しましょう! 歳を取ると、からだばかりでなく精神的な変化も見られるようになります。さらには社会的、環境的にも大きく変化します。社会の第一線からのリタイア、配偶者や親しい友人との死別、親子関係の変化、経済的な変化など様々な変化が起こります。社会からの孤立感に襲われ、意識行動も大きく変わります。また、介護を受けるようになればなおさらです。反面、時間や組織などに縛られず、自分の時間を自由に使えゆとりあるステージにもなり、余裕が生まれます。また体験や知識に裏付けられた風格が生まれ、その人なりの個性がはっきりしてきます。若い頃からの積み重ねが心や生活にも影響してくる時代でしょう。 高齢者と接する上では、喪失体験の多い環境や心への影響も十分に理解し、こちらからペースを合わせていくことも大切です。 具体的には次のような変化があります。 1.記憶力の低下 「新しいことを忘れ、古いことを覚えている」 加齢により記憶力の低下が起こりますが、特に最近の出来事を忘れてしまいます。ただし、判断能力や思考能力は衰えにくく、知能が低下するわけではありません。物忘れが多いことは認知症ではありませんが、人格が変わってしまったり少し前のことを忘れるなど、単なる物忘れの域を超えると認知症を疑ってみる必要があります。 2.心理的変化 1) 「閉じこもりがち(内向的)になる」 交際範囲も狭まり、自己の価値観に固執して、若い世代と意識や考え方がずれてしまいがちになります。そのため、疎外感を感じ、閉じこもりがちになります。 2) 「不安(抑うつ的)になりやすくなる」 身体機能の低下により、自分の健康への不安や経済状況の変化、親しい友人の死などにより、将来への不安が目立つようになります。このような周囲の変化に防衛的になり、抑うつ的、心気的(体の異常がないのに不調を訴える)になります。 3) 「自尊心が傷つきやすくなる」 日常生活の中で物忘れや、スローペースな動作を指摘されることも多くなり、自尊心が傷つきやすくなります。また周囲から過剰ないたわりの言葉を受けることで、逆にプライドが傷つく場面も多くなります。自らの加齢を認めていく過程にも個人差が生じます。 3.行動の変化 「転倒しやすくなる・生活のリズムが乱れがちになる」 身体機能が低下することから転倒しやすくなったり、睡眠パターンの変化から生じる不眠傾向により生活のリズムが不規則になりがちなことから、日中キビキビと行動することが困難になってしまいます。したがって意識的に安全への配慮が必要となります。 いかがでしたでしょうか?加齢することの現実を知るのは少しさみしい気持ちもしますね。でも、ここであげたのはあくまでも一般論です。生老病死、私達にはどうしても避けられないものがあります。 多くの方のケアに関わっていると、人間の生理的な変化を正しく知った上で、あるがままを受け入れる。やみくもに否定したり怖がるのではなく、予防や対応方法、上手に付き合う方法を考えることが大切なのでは、と私は思います。 また、からだやこころは誰もが変化する中で、若い頃からの歳を重ねることへの向き合い方が高齢期に大きく影響することも事実です。明日から突然に高齢者になるわけではないのですから。 自分を認め、他人を認め「よくがんばってるね えらい!」と褒めながら、もコツかもしれませんね。 最後に楽しい話をひとつ。これも加齢による変化ではないでしょうか。 ドイツの文豪ゲーテの晩年のお話です。 ゲーテは82才の生涯を終える間に詩人、哲学者、科学者など多彩に活躍し、特に文学において優れた作品を残しました。14歳で初恋を体験し、70歳代には当時19歳の美しい少女に熱烈な恋をしました。しかし周囲の反対は大きく、ゲーテはこの少女との恋をあきらめたのですが、あまりにもショックだったのか病に伏してしまったそうです。ところがその後、創作意欲に燃え精神的活動は最高潮に。そして「ファウスト第二部」を完成しました。高齢期であっても恋は精神を高めるのです。そしてまた若い頃のような刺激を求めるのではなく、ゆっくりじっくりと自分の求めるものをみつめることができるのもこの時代の素晴らしさ、深さなのかもしれませんね。 20代の恋は妄想である。 30代の恋は浮気である。 40歳にして初めて真の恋を知る。 ゲーテ 次回はこのようなからだや心の変化にどう対応すればよいのか、「高齢者との接し方」についてお伝えいたします。
~加齢には個人差・男女差・時代差があります~
日本の高齢化率は現在21%。少子化と高齢者人口の増加により、今後もこの数値は年々上昇する見込みで、2015年には高齢化率26%と、約4人に1人が高齢者という時代が到来します。その傾向を垣間見るように、電車やバス、デパート、リゾートなど、どんなところでもアクティブでハツラツとしたシニアを多く見かけるようになりましたね。反面、時間や組織などに縛られずに自分の時間を自由に使えゆとりあるステージにもなり、余裕が生まれます。また、体験や知識に裏付けられた風格が生まれ、その人なりの個性がはっきりしてきます。若い頃からの積み重ねが心や生活にも影響してくる時代でしょう。 しかし、健康そうに見えても残念ながら私たちのからだの中では、細胞の数の減少や臓器の萎縮などが起き、からだの動きや抵抗力、適応力などが鈍ってきます。 個人差や男女差が激しいのも高齢期の特徴です。80歳でも若々しくハツラツとしている方もいれば、50代でも老け込んで活気のない方もいらっしゃいます。また、男性は徐々に老化が進行する傾向がありますが、女性は50代に閉経とともに女性ホルモンが減少し、急激に老化が進みます。男性よりも女性ホルモンの値が下がる方もいます。それでも国際的に見ると日本人の加齢は美しいと言われていますね。その上、日本は平均寿命男性78歳、女性85歳と長寿国№1なのです。 時代を超えてみましょう。100年前の平均寿命はいったいどの位だったと思われますか?なんと男性43歳、女性44歳。あくまで平均の寿命ですが、戦後の健診や医療技術が進み、衛生状態もぐっと良くなったことなどが影響していますね。また、20年前の70歳と現在の70歳でも大きな違いがあることにお気づきでしょう。つまり、私たちは変化する自分のからだと長い時間付き合う時代に生きているということです。 ※高齢者とは一般的に65歳以上の方を指しています。
歳を取ると、からだばかりでなく精神的な変化も見られるようになります。さらには社会的、環境的にも大きく変化します。社会の第一線からのリタイア、配偶者や親しい友人との死別、親子関係の変化、経済的な変化など様々な変化が起こります。社会からの孤立感に襲われ、意識行動も大きく変わります。また、介護を受けるようになればなおさらです。反面、時間や組織などに縛られず、自分の時間を自由に使えゆとりあるステージにもなり、余裕が生まれます。また体験や知識に裏付けられた風格が生まれ、その人なりの個性がはっきりしてきます。若い頃からの積み重ねが心や生活にも影響してくる時代でしょう。 高齢者と接する上では、喪失体験の多い環境や心への影響も十分に理解し、こちらからペースを合わせていくことも大切です。
具体的には次のような変化があります。
「新しいことを忘れ、古いことを覚えている」 加齢により記憶力の低下が起こりますが、特に最近の出来事を忘れてしまいます。ただし、判断能力や思考能力は衰えにくく、知能が低下するわけではありません。物忘れが多いことは認知症ではありませんが、人格が変わってしまったり少し前のことを忘れるなど、単なる物忘れの域を超えると認知症を疑ってみる必要があります。
1) 「閉じこもりがち(内向的)になる」 交際範囲も狭まり、自己の価値観に固執して、若い世代と意識や考え方がずれてしまいがちになります。そのため、疎外感を感じ、閉じこもりがちになります。
2) 「不安(抑うつ的)になりやすくなる」 身体機能の低下により、自分の健康への不安や経済状況の変化、親しい友人の死などにより、将来への不安が目立つようになります。このような周囲の変化に防衛的になり、抑うつ的、心気的(体の異常がないのに不調を訴える)になります。
3) 「自尊心が傷つきやすくなる」 日常生活の中で物忘れや、スローペースな動作を指摘されることも多くなり、自尊心が傷つきやすくなります。また周囲から過剰ないたわりの言葉を受けることで、逆にプライドが傷つく場面も多くなります。自らの加齢を認めていく過程にも個人差が生じます。
「転倒しやすくなる・生活のリズムが乱れがちになる」 身体機能が低下することから転倒しやすくなったり、睡眠パターンの変化から生じる不眠傾向により生活のリズムが不規則になりがちなことから、日中キビキビと行動することが困難になってしまいます。したがって意識的に安全への配慮が必要となります。 いかがでしたでしょうか?加齢することの現実を知るのは少しさみしい気持ちもしますね。でも、ここであげたのはあくまでも一般論です。生老病死、私達にはどうしても避けられないものがあります。 多くの方のケアに関わっていると、人間の生理的な変化を正しく知った上で、あるがままを受け入れる。やみくもに否定したり怖がるのではなく、予防や対応方法、上手に付き合う方法を考えることが大切なのでは、と私は思います。 また、からだやこころは誰もが変化する中で、若い頃からの歳を重ねることへの向き合い方が高齢期に大きく影響することも事実です。明日から突然に高齢者になるわけではないのですから。 自分を認め、他人を認め「よくがんばってるね えらい!」と褒めながら、もコツかもしれませんね。
最後に楽しい話をひとつ。これも加齢による変化ではないでしょうか。
ドイツの文豪ゲーテの晩年のお話です。 ゲーテは82才の生涯を終える間に詩人、哲学者、科学者など多彩に活躍し、特に文学において優れた作品を残しました。14歳で初恋を体験し、70歳代には当時19歳の美しい少女に熱烈な恋をしました。しかし周囲の反対は大きく、ゲーテはこの少女との恋をあきらめたのですが、あまりにもショックだったのか病に伏してしまったそうです。ところがその後、創作意欲に燃え精神的活動は最高潮に。そして「ファウスト第二部」を完成しました。高齢期であっても恋は精神を高めるのです。そしてまた若い頃のような刺激を求めるのではなく、ゆっくりじっくりと自分の求めるものをみつめることができるのもこの時代の素晴らしさ、深さなのかもしれませんね。
20代の恋は妄想である。 30代の恋は浮気である。 40歳にして初めて真の恋を知る。 ゲーテ
20代の恋は妄想である。 30代の恋は浮気である。 40歳にして初めて真の恋を知る。
ゲーテ
次回はこのようなからだや心の変化にどう対応すればよいのか、「高齢者との接し方」についてお伝えいたします。
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