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筆者プロフィール
みなさんは毎日の暮らしの中で、高齢者の方にどう接したら良いか、困った経験はありませんか?また生活のスピードの違いに戸惑ったことなどはきっとあるのではないでしょうか。前回は、「高齢者のからだと心を知りましょう」をテーマに、加齢と共に変化するからだと心についてお話ししました。今回はその変化にどう対応すれば良いのかについてお伝えします。 高齢者との接し方の基本 デンマークでは高齢者との接し方の基本に次の3つをあげています。 1.人生継続性の尊重 今までのライフスタイルをできるだけ変えないですむようにサポートする 2.残存能力、潜在能力の活用 手を出しすぎない、介護用品や住環境を能力に応じて整えることで残された能力を できるだけ引き出す 3.自己決定の尊重 自分の人生は自分で決め、周りはそれを尊重する これらを実現するために、高齢者と接するときに心がけることは、次の5つです (1)高齢者のからだや心を理解しましょう (2)思いやりや愛情を持って誠実な対応をしましょう (3)高齢者のペースに合わせましょう (4)コミュニケーションを持ちましょう (5)一人の人間として尊重しましょう 高齢者とのコミュニケーションのポイント 高齢者の特性を理解することで、周囲も具体的にどのように接したら良いかわかるようになります。 動作や反応が鈍くなる → ペースを合わせましょう 自分のペースではなく、高齢者のペースに合わせ、急かさない。待つことが大切です。 また、自分でできることには手を出さないで見守りましょう。あくまでも自立支援が高齢期の基本です。 閉じこもりがちになる → 聞き上手になりましょう 高齢者とよくコミュニケーションを取りましょう。 昔の記憶はよく覚えているもの。時には思い出話をして孤立感を感じさせないようにしましょう。 高齢者だけではなく子供や若い世代の方とのコミュニケーションが図れると、エネルギーの交換ができて良いですね。 人の話が聞けない → 話は簡潔に、わかりやすい言葉で 話の伝え方に工夫が必要です。必要なことだけを短く、わかりやすく話しましょう。 高齢期は高音部が聴き取りにくくなります。周囲の騒音にも気を配り、低めの声でゆっくり話しましょう。 自分の価値観に固執しがち → プライドを大切にしましょう 高齢者は長年培われた本人なりのプライドを大切に持っています。 言葉が間違っていたり、話題について行けなくても、否定したり怒ったりせずにまずはありのままを受容し傾聴することが大切です。なかなか難しいことですが、これができるとコミュニケーションが円滑になります。 <心得>いつも明るく優しさを持って接しましょう。 コミュニケーションでは常にあたたかい心を持って接することが大切です。その心が言葉や態度、動作となってあらわれてきます。 また丁寧な言葉づかい、敬意を持った話し方、正しい挨拶など、相手に応じた臨機応変な対応も必要です。 以前、ビルメンテナンス会社の社員の方から相談を持ちかけられました。企業が抱えているビルの清掃スタッフが、現場の高齢者と接する機会が増え対応に困っている、ということでした。自分が良かれと思って行ったことがかえって問題をまねいてしまっていたようです。 そこで高齢者を理解し、正しい対応ができるように「高齢者の接し方に関するセミナー」を一緒に企画。その後、このセミナーを受けた担当者の方が中心になり、多くの清掃スタッフに研修を実施しました。現在でもこの研修は続いています。また、併せて「高齢者疑似体験プログラム」※もご紹介させていただき、さっそく体験されていました。 今から4年も前のことですから、高齢者と同じ立場に立とうとする姿勢での従業員教育の試みのすばらしさに感心いたしました。高齢者であっても障害者であっても特別な存在ではなく、家族のように思いやりを持って接する気持ち。まずは最も身近な「自分の周り」から持ちたいものですね。 ※高齢者疑似体験プログラム=手や足に重りやギブス、目にメガネなどにより負荷をかけることで、経験することのできない20年、30年先の高齢者の世界を体験できる研修プログラム。社団法人長寿社会文化協会WACや日本ウエルジング協会などが実施しています。 これにより高齢者の視点から社会を観察することができ、高齢者の身になって関わり方を考えるきっかけにもなるのでぜひ体験をお勧めいたします。私も10年前に体験しましたが、頭ではなくカラダで理解すると、不便さや不安さが実感でき、高齢者のニーズがわかってきます。お買い物、トイレ、見る、聴く、手に取る、歩くなど日常あたりまえに行っている動作の一つひとつについて、高齢者の大変さを身にしみて感じ、自分のペースで接してはいけないな、と改めて実感しました。 第2回でお伝えいたしましたが、高齢期はさまざまなからだや心の変化により日常生活に不便や不安が生じてしまい、周囲もイライラしてしまうことの連続です。しかし、最も不便や苛立ちを感じているのは高齢者ご本人です。そして誰もが個人差はあれ、いつか同じように経験するのです。相手の立場に立ち、からだや心の変化をよく理解した上での関わり方を心がけましょう。介護に限らず、高齢期に限らず、相手の立場に立つことは、人間関係のコミュニケーションには大切なことですね。 少し日本の社会の変化も考えてみましょう。高齢化が急速に進む中、社会の中心は若者層ではなくなり、住まいや商品、サービスなどの基準も高齢者を意識したものに変わろうとしています。高齢者へのニーズに応えることもますます必要な時代になってきています。高齢者へ接するソフトサービスは意識と知識さえあれば明日からでもすぐに実行できます。家庭で、街角で、地域で、あらゆるシーンで高齢者のニーズに沿ったあたたかい対応が今求められています。 今回から 「はじめての介護」をお読みになった方が 少しでもあたたかく、やさしい気持ちになれるように、会社の先輩が自分の足で全国を巡り撮影している、美しい写真を添えます。 『陽を浴びる紫の小さな花』 撮影地:文京区・小石川植物園 Photo http://japan-geographic.tv/
みなさんは毎日の暮らしの中で、高齢者の方にどう接したら良いか、困った経験はありませんか?また生活のスピードの違いに戸惑ったことなどはきっとあるのではないでしょうか。前回は、「高齢者のからだと心を知りましょう」をテーマに、加齢と共に変化するからだと心についてお話ししました。今回はその変化にどう対応すれば良いのかについてお伝えします。
デンマークでは高齢者との接し方の基本に次の3つをあげています。
今までのライフスタイルをできるだけ変えないですむようにサポートする
手を出しすぎない、介護用品や住環境を能力に応じて整えることで残された能力を できるだけ引き出す
自分の人生は自分で決め、周りはそれを尊重する
これらを実現するために、高齢者と接するときに心がけることは、次の5つです
(1)高齢者のからだや心を理解しましょう (2)思いやりや愛情を持って誠実な対応をしましょう (3)高齢者のペースに合わせましょう (4)コミュニケーションを持ちましょう (5)一人の人間として尊重しましょう
高齢者の特性を理解することで、周囲も具体的にどのように接したら良いかわかるようになります。
自分のペースではなく、高齢者のペースに合わせ、急かさない。待つことが大切です。 また、自分でできることには手を出さないで見守りましょう。あくまでも自立支援が高齢期の基本です。
高齢者とよくコミュニケーションを取りましょう。 昔の記憶はよく覚えているもの。時には思い出話をして孤立感を感じさせないようにしましょう。 高齢者だけではなく子供や若い世代の方とのコミュニケーションが図れると、エネルギーの交換ができて良いですね。
話の伝え方に工夫が必要です。必要なことだけを短く、わかりやすく話しましょう。 高齢期は高音部が聴き取りにくくなります。周囲の騒音にも気を配り、低めの声でゆっくり話しましょう。
高齢者は長年培われた本人なりのプライドを大切に持っています。 言葉が間違っていたり、話題について行けなくても、否定したり怒ったりせずにまずはありのままを受容し傾聴することが大切です。なかなか難しいことですが、これができるとコミュニケーションが円滑になります。
<心得>いつも明るく優しさを持って接しましょう。 コミュニケーションでは常にあたたかい心を持って接することが大切です。その心が言葉や態度、動作となってあらわれてきます。 また丁寧な言葉づかい、敬意を持った話し方、正しい挨拶など、相手に応じた臨機応変な対応も必要です。
以前、ビルメンテナンス会社の社員の方から相談を持ちかけられました。企業が抱えているビルの清掃スタッフが、現場の高齢者と接する機会が増え対応に困っている、ということでした。自分が良かれと思って行ったことがかえって問題をまねいてしまっていたようです。 そこで高齢者を理解し、正しい対応ができるように「高齢者の接し方に関するセミナー」を一緒に企画。その後、このセミナーを受けた担当者の方が中心になり、多くの清掃スタッフに研修を実施しました。現在でもこの研修は続いています。また、併せて「高齢者疑似体験プログラム」※もご紹介させていただき、さっそく体験されていました。 今から4年も前のことですから、高齢者と同じ立場に立とうとする姿勢での従業員教育の試みのすばらしさに感心いたしました。高齢者であっても障害者であっても特別な存在ではなく、家族のように思いやりを持って接する気持ち。まずは最も身近な「自分の周り」から持ちたいものですね。
※高齢者疑似体験プログラム=手や足に重りやギブス、目にメガネなどにより負荷をかけることで、経験することのできない20年、30年先の高齢者の世界を体験できる研修プログラム。社団法人長寿社会文化協会WACや日本ウエルジング協会などが実施しています。 これにより高齢者の視点から社会を観察することができ、高齢者の身になって関わり方を考えるきっかけにもなるのでぜひ体験をお勧めいたします。私も10年前に体験しましたが、頭ではなくカラダで理解すると、不便さや不安さが実感でき、高齢者のニーズがわかってきます。お買い物、トイレ、見る、聴く、手に取る、歩くなど日常あたりまえに行っている動作の一つひとつについて、高齢者の大変さを身にしみて感じ、自分のペースで接してはいけないな、と改めて実感しました。
第2回でお伝えいたしましたが、高齢期はさまざまなからだや心の変化により日常生活に不便や不安が生じてしまい、周囲もイライラしてしまうことの連続です。しかし、最も不便や苛立ちを感じているのは高齢者ご本人です。そして誰もが個人差はあれ、いつか同じように経験するのです。相手の立場に立ち、からだや心の変化をよく理解した上での関わり方を心がけましょう。介護に限らず、高齢期に限らず、相手の立場に立つことは、人間関係のコミュニケーションには大切なことですね。 少し日本の社会の変化も考えてみましょう。高齢化が急速に進む中、社会の中心は若者層ではなくなり、住まいや商品、サービスなどの基準も高齢者を意識したものに変わろうとしています。高齢者へのニーズに応えることもますます必要な時代になってきています。高齢者へ接するソフトサービスは意識と知識さえあれば明日からでもすぐに実行できます。家庭で、街角で、地域で、あらゆるシーンで高齢者のニーズに沿ったあたたかい対応が今求められています。
今回から 「はじめての介護」をお読みになった方が 少しでもあたたかく、やさしい気持ちになれるように、会社の先輩が自分の足で全国を巡り撮影している、美しい写真を添えます。
『陽を浴びる紫の小さな花』 撮影地:文京区・小石川植物園
Photo http://japan-geographic.tv/
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