介護マガジン

はじめての介護

介護保険を上手に活用しましょう その2

今月は、先月に引き続き介護保険の上手な活用方法についてお伝えします。

要支援・要介護状態ってどんなこと?

「要介護認定」で要介護度が認定され、通知が届きます。自立から要支援1・2、要介護1~5の7段階として認定されます。この要介護度により、1割の自己負担で利用できるサービス量(給付金額)が異なります。要介護と認定された方は、ケアマネジャーを選びケアプランをたてます。要支援の方は、地域包括支援センターに依頼し、介護予防プランを受けることができます。
ホームヘルパーやデイサービスなどの在宅サービスは受けるつもりがないから申請は必要ない”とお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、福祉用具の利用についてはいかがでしょうか。
例えば、浴室で使う手すりや、座高が高く安定した椅子なども購入の補助が出ます(購入費の9割は後で戻ってくる償還払いという仕組みです)。慌てて購入しがちな介護用ベッドや車いすも、介護保険のレンタルの対象品目となります。毎月の利用料金は商品により異なりますが1,000~2,000円程度ですから、利用を検討することをお勧めいたします(要介護度によって利用できる品目が異なります)。
手すりの取り付けや段差の解消などに関しても、住宅リフォームの介護保険制度を活用し、上限20万円まで(1割自己負担)が助成されます。
また、在宅でサービスを受けるだけではなく、特別養護老人ホームや特定施設=介護付き有料老人ホームへ入所する場合にも、この認定が必要になります。お身体の機能は自立しているけれど、認知症がある方も要介護認定が必要です。
このように要介護認定を受けておくことにより、必要な時には家族の負担を和らげ、本人に必要なサービスや専門家の手を借りることができます。認定結果が届いたら要介護認定度と有効期限を確認しましょう。

表1 要介護度と給付金額の目安
※画像をクリックするとPDFファイルが表示されます。プリントアウトしてご利用ください。

要介護度と給付金額の目安

 

もし要介護認定で自立となったら?

申請して自立(非該当)と認定された場合は、介護保険サービスは受けられませんが、自治体による地域支援事業としての高齢者福祉サービスの利用が可能です。地域包括支援センターや役所の窓口でお尋ねください。
例えば配食サービスや移送サービス、家事支援サービスなど市町村の実情に応じたサービスが提供されています。どんなサービスがあるか知っておくだけでも安心ですね。サービスの一覧が載っている冊子を家庭に備えておくと便利です。

港区役所 HP 高齢者サービス一覧

 

表2 介護保険で在宅サービスを利用する流れ
※画像をクリックするとPDFファイルが表示されます。プリントアウトしてご利用ください。

介護保険で在宅サービスを利用する流れ

 

次回はどんなサービスが利用できるのか、在宅介護を支援するサービス(居宅サービス)と施設に入所して受けるサービス(施設サービス)をご案内いたします。

 

駿河湾と伊豆半島より昇る初日の出
2009年元旦6:56 駿河湾と伊豆半島より昇る初日の出
撮影地:郷里 蒲原の浜(静岡市)


2009年が始まりました。皆さま、明けましておめでとうございます。年末年始、いかがお過ごしでしたでしょうか。
私の故郷、由比では除夜の鐘が静かな夜の町に響き始めると、表を歩く人々の交わす声や少し早い足音が聴こえてきます。防寒衣を纏いながら裏の八幡神社をめざして各家庭から人々が初詣に向かい始めます。急な石段を合計116段登りきると、目の前に飯田八幡宮、振り返ると白い息の向こうに空と細い月と金星。そして濃藍色に光る駿河湾が見えました。何年も変わらない空と海と大地と、その風景を所有しているかのような町です。今年も同じように時が流れました。和太鼓をドン、鈴をジャラジャラと勢いよく鳴らし、ポケットの中で握りしめてきたお賽銭を投げ入れます。“皆の笑顔、私の笑顔 今年もたくさん見ることができますように”。83歳の父は昨年からこの階段を登れなくなったため、50年以上続けてきた恒例の初詣ができなくなってしまいました。自宅で参拝です。そこで、母が父の分もお賽銭をはりきって投げ入れます。私も父の健康を祈ります。その数時間後の元旦の朝、かなりがんばって早起きして浜まで出かけます。駿河湾を照らす初日の出の瞬間は何度見てもその美しさに感動します。大きな天体が動いていることも日の出の進む様子から実感し、今生きていることを感じる瞬間でもあります。こうしてゆく年くる年に感謝と祈りをこめます。海辺で育ち海の好きな私の儀式です。みな、それぞれのゆく年くる年があることと思います。
人は必ずしも行きたい場所に行けるとは限らないもの。生きていれば様々な事情も抱え、歳を重ねるとなおさらにそのような状況があるでしょう。もし現実的にその場に行けなかったとしても、きっと誰にとっても好きな風景が心の中にあるのだと思います。そんな時は好きな風景や人の有り様を心に描いてみてはいかがでしょうか。想像するだけでも脳は活性化します。こうしたイメージができることはお金や物以上に人生の豊さにつながるもの、とケアに繰り返し関わってきた私は思います。あなたの心の憧憬はどんな景色ですか?
さて、切ないニュースも多い師走でした。気になることを抱えながらも時は誰にとっても平等に流れてゆきます。
人としての真の強さややさしさが問われる時代に向かっているような気がします。よい一年になりますようにお祈りいたしております。

自然にふれるという終りのない喜びは
科学者だけのものではありません。
大地と海と空、そして、
そこに住む驚きに満ちた
生命の輝きのもとに
身をおくすべての人が
手に入れられるものなのです。

「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソンより

 

  • 甘いケーキの贈り物と筆者 川上由里子氏


昨年12月、忙しい合間をぬって職場のスタッフからほどよく甘いケーキの贈り物をいただきました。私の誕生日です。
年齢とともに皺も苦労も増えますが、昨日までの歳にさよならをして今日からの歳に少し照れながらよろしくと伝える誕生日は、 感謝の気持ちでいっぱいになる日です。自分自身に誇れる小さな宝物をひとつでもこつこつと育てながら、歳を重ねたいと思います。
これからも体験を通して皆様に役立つ情報がお伝えできますように、心をこめて原稿を綴ります。

川上由里子