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2006年10月3日(火)、東京・臨海副都心にある「トヨタユニバーサルデザインショウケース」で「ユニバーサルデザインビジネス・シンポジウム2006」が開催されました。今回のテーマは「情報のユニバーサルデザイン」。情報通信技術の進歩によって私たちはより多くの情報に触れられるようになってきましたが、そのスピードに追いついていけないという側面も出てきています。 情報格差の解消と、高齢者や障害をお持ちの方に配慮した情報社会のあり方について、欧米の事例や考え方の紹介とともに、情報のユニバーサルデザインのヒントを探っていくことを目的としています。 ■ 基調講演 基調講演は「ブランドコミュニケーションを拡げるユニバーサルデザイン」と題して、イギリスからブランド・コミュニケーション・コンサルタントのピーター・ミルズ氏を招き、イギリスのNHS(National Health Service:イギリスの国民保健サービス)などの例を引き合いに挙げながら、ユニバーサルデザイン戦略を解説しました。具体的にユニバーサルな情報伝達のフォーマットのリスト、戦略上考慮すべき点、デザインのガイドラインやチェックリストなどを講演。また情報を受け取る側の視点に立って、どのようにメッセージを伝えるのか、その考え方について、写真等を使って事例を見せながらわかりやすく解説されていました。 ■ 特別講演 特別講演は東京大学大学院情報学環教授・副学長の坂村健氏による『ユビキタス場所情報システムとユニバーサルデザイン』。「ユビキタス(どこにでもある)コンピューティング」を提唱している坂村氏は、コンピュータによる生活支援をテーマに据えて、さまざまな活動をされています。今回は“イネーブルウェア“=“今までできなかったことを可能にする技術”を障害をお持ちの方や特定の人のためだけではなく、汎用性を持たせることでできるだけ多くの人の不便をサポートし、しかもコストの低下を図っていく、共通インフラとしてのユニバーサルについての講演でした。その熱い語り口に参加者も熱心に聞き入っていました。 ■ ケーススタディ~情報のUDを推進する企業の先進事例紹介 後半はトヨタ自動車と富士通の取り組み事例について講演がありました。 まずはトヨタ自動車による「テレマティクスが実現する情報のユニバーサル~レクサスに搭載されたG-LINKの全貌と未来~」と題し、昨年8月から発売されている最高級車レクサスに搭載されているG-LINKについての紹介がありました。テレマティクス(双方向情報通信サービス)により、G-LINKが車とセンターとの間で目的地設定、セキュリティや盗難など、様々な状況にリアルタイムで対応するオペレーターサービスを提供することで、誰もが利用できる車のユニバーサルデザインをサポートできることを解説。また、未来像についても提案がありました。 続いては富士通の「情報機器メーカーにおけるユニバーサルデザインの取り組みについて」。同社の考えるITのユニバーサルデザインについて、その思いや方向性、そして機能するUDから使えるUDへ、さらに楽しいUDへ、というビジネスに向けての観点が紹介されました。 ■ ユニバーサルデザイン/ユビキタスを身近に体験できる展示も 会場の「トヨタユニバーサルデザインショウケース」では、ユビキタスを実感できる『ユビキタスコミュニケーター』の貸し出しや、センサー機能付きの白杖を使った『白杖デモ体験』もありました。また、愛・地球博に出展されたインテリジェント車椅子ロボット「TAO Aicle」(富士通(株)・アイシン精機(株)・独立行政法人産業技術総合研究所の共同開発)の展示と映像紹介、そして、レクサスの『G-LINKコーナー』も設置されました。実際にユニバーサルデザインを体験することができるとあって、講演の休憩時間には参加者の長蛇の列ができるほどでした。 白杖とユビキタスコミュニケーターを貸し出すデモ体験には長蛇の列 G-LINKコーナー インテリジェント車椅子ロボット「TAO Aicle」 <コメント> 講演中、横に設置されたモニターでは、演者が発した言葉がほぼリアルタイムに、テキストになって映し出されていました。株式会社イワタが開発したUDフォントを使用しており、高齢・視覚障害への配慮はもちろん、誰もが見やすくて間違えにくい字形を追求したものだそうです。たしかに遠くからでもくっきりとして読みやすく感じられました。 そして、私の目を釘付けにしたのは、講演内容の全てをリアルタイムで次々とテキストにしていくオペレーターの方たち(あ、もちろん講演中はほとんど、ちゃんとパワーポイントのモニターを見ていましたよ)。静かに、でもすごい勢いでキーボードに打ち込んでいく姿に尊敬の念を覚えました。 取材協力/空間通信 兼平 真 概要 開催日 2006年10月3日(火) 13:30~19:00 会場 トヨタユニバーサルデザイン ショウケース(東京都江東区青海1丁目 メガウェブ) 会場所在地 〒135-0064 東京都江東区青海1丁目メガウェブ 主催 日経デザイン、英国大使館 協賛 イワタ、英国市場協議会、富士通 協力 アムラックストヨタ、国際ユニヴァーサルデザイン協議会、ユニバーサルデザインフォーラム、ヴァージン アトランティック航空
2006年10月3日(火)、東京・臨海副都心にある「トヨタユニバーサルデザインショウケース」で「ユニバーサルデザインビジネス・シンポジウム2006」が開催されました。今回のテーマは「情報のユニバーサルデザイン」。情報通信技術の進歩によって私たちはより多くの情報に触れられるようになってきましたが、そのスピードに追いついていけないという側面も出てきています。 情報格差の解消と、高齢者や障害をお持ちの方に配慮した情報社会のあり方について、欧米の事例や考え方の紹介とともに、情報のユニバーサルデザインのヒントを探っていくことを目的としています。
基調講演は「ブランドコミュニケーションを拡げるユニバーサルデザイン」と題して、イギリスからブランド・コミュニケーション・コンサルタントのピーター・ミルズ氏を招き、イギリスのNHS(National Health Service:イギリスの国民保健サービス)などの例を引き合いに挙げながら、ユニバーサルデザイン戦略を解説しました。具体的にユニバーサルな情報伝達のフォーマットのリスト、戦略上考慮すべき点、デザインのガイドラインやチェックリストなどを講演。また情報を受け取る側の視点に立って、どのようにメッセージを伝えるのか、その考え方について、写真等を使って事例を見せながらわかりやすく解説されていました。
特別講演は東京大学大学院情報学環教授・副学長の坂村健氏による『ユビキタス場所情報システムとユニバーサルデザイン』。「ユビキタス(どこにでもある)コンピューティング」を提唱している坂村氏は、コンピュータによる生活支援をテーマに据えて、さまざまな活動をされています。今回は“イネーブルウェア“=“今までできなかったことを可能にする技術”を障害をお持ちの方や特定の人のためだけではなく、汎用性を持たせることでできるだけ多くの人の不便をサポートし、しかもコストの低下を図っていく、共通インフラとしてのユニバーサルについての講演でした。その熱い語り口に参加者も熱心に聞き入っていました。
後半はトヨタ自動車と富士通の取り組み事例について講演がありました。 まずはトヨタ自動車による「テレマティクスが実現する情報のユニバーサル~レクサスに搭載されたG-LINKの全貌と未来~」と題し、昨年8月から発売されている最高級車レクサスに搭載されているG-LINKについての紹介がありました。テレマティクス(双方向情報通信サービス)により、G-LINKが車とセンターとの間で目的地設定、セキュリティや盗難など、様々な状況にリアルタイムで対応するオペレーターサービスを提供することで、誰もが利用できる車のユニバーサルデザインをサポートできることを解説。また、未来像についても提案がありました。 続いては富士通の「情報機器メーカーにおけるユニバーサルデザインの取り組みについて」。同社の考えるITのユニバーサルデザインについて、その思いや方向性、そして機能するUDから使えるUDへ、さらに楽しいUDへ、というビジネスに向けての観点が紹介されました。
会場の「トヨタユニバーサルデザインショウケース」では、ユビキタスを実感できる『ユビキタスコミュニケーター』の貸し出しや、センサー機能付きの白杖を使った『白杖デモ体験』もありました。また、愛・地球博に出展されたインテリジェント車椅子ロボット「TAO Aicle」(富士通(株)・アイシン精機(株)・独立行政法人産業技術総合研究所の共同開発)の展示と映像紹介、そして、レクサスの『G-LINKコーナー』も設置されました。実際にユニバーサルデザインを体験することができるとあって、講演の休憩時間には参加者の長蛇の列ができるほどでした。
<コメント>
講演中、横に設置されたモニターでは、演者が発した言葉がほぼリアルタイムに、テキストになって映し出されていました。株式会社イワタが開発したUDフォントを使用しており、高齢・視覚障害への配慮はもちろん、誰もが見やすくて間違えにくい字形を追求したものだそうです。たしかに遠くからでもくっきりとして読みやすく感じられました。 そして、私の目を釘付けにしたのは、講演内容の全てをリアルタイムで次々とテキストにしていくオペレーターの方たち(あ、もちろん講演中はほとんど、ちゃんとパワーポイントのモニターを見ていましたよ)。静かに、でもすごい勢いでキーボードに打ち込んでいく姿に尊敬の念を覚えました。
取材協力/空間通信 兼平 真
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