介護マガジン

ほっとライン寄席

Vol.115 ●初席の出来事

  • 初席イメージ

え~。どうも、毎回のお運びで厚く御礼を申し上げます。しばらくの間、お付き合いを願いますが。

お正月の寄席は、初席と言いまして元旦から10日まで、お客様にお正月気分を楽しんでいただきます。寄席は何と元旦から営業しています。そして12月の29日、浅草演芸ホールは31日までやります。つまり1日も休まないのが寄席です。東京には、4軒しかありません。上野鈴本演芸場、新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場です。普段は、昼の12時頃から夜の9時頃までやっています。毎日やっています。いつでもやっています。必ずやっています。そして必ず座れます。予約なんか入れると恥をかきます。そうです都内で1番静かなのが寄席です!嘘だと思ったら1度、来てみてください。こうやってお客様を増やそうと努力しています。ただし、1度来た方は2度と来ませんけれども…。

ところが、この初席ばかりは、いっぱいのお客様です。初笑いを楽しもうという方で大入り満員です。今年はもう間に合いませんが、嘘だと思ったら来てみてください。結構座れます。それでも三が日、土日、祝日がからむと立ち見になります。
上野鈴本演芸場は、指定席です。不思議なものでお客様というものは、毎年必ず同じ席をお取りになります。ですから前の席は、いつもの顔が並びます。お互いに、1年の無事をここで確認するわけです。これだけでも初席に来ていただいた価値があります。

  • 常連のお婆ちゃんイメージ

ある年、いつも来てくださるお婆ちゃんの姿がありませんでした。そうか“お年だから昨年おなくなりになったんだなぁ~”と、高座からご冥福をお祈りしました。“ああ、いい供養をしたなぁ~”と良い気分でした。あくる年、初席の高座に上がると、そのお婆ちゃんがいるじゃないですか!驚いたの何の、噺どころじゃありませんでした。昨年は風邪をひいて来られなかっただけでした。どうぞ常連の方、噺家が心配していますから、毎年必ずいらしてください。

初席は、顔見せ興行ですから、大勢出演します。普段は忙しくてなかなか出演できない売れっ子の師匠方も出ますので、とても華やかです。ですから、ひとりの待ち時間が5~7分位になります(いつもは15分なのですが)。
入れ替わり立ち替わり、色んな噺家が出てまいります。時間がありませんから、小咄か漫談、踊りといったところになります。大勢出演しますから高座を終わる時に、みんな「お後が大勢」と言って次の出演者に替わります。先日、ある師匠がトリ(※1)なのに、いつもの調子で「お後が大勢!」

※1トリ
寄席の1番最後をつとめる出演者、紅白歌合戦の大トリというトリという言葉は、寄席から出た言葉です。