介護マガジン

ほっとライン寄席

Vol.125 ●噺家の日常

え~。お付き合いをいただき、ありがとうございます。

  • 待ち合わせイメージ

我々、噺家はお客様に声をお掛けいただければ、どこへでも出かけます。たいがいは、電話、メールで連絡をいただき、スケジュールがあうと仕事が確定します。その後も事前に打ち合わせは特にせず、当日初めてその方と会うという事が多いのです。ですから顔もお互いに知らないという事があります。写真を送ってあっても、10年前の写真では全く顔が違うようです。改札で待ち合わせという事が多いのですが、たいがいわかりません。中には、私の名前が書いてある紙を持っている方がいます。これは、こちらがすぐにわかりますから、笑顔で近づくと向こうは、えっというような顔をして必ず
「本当に扇好さんですか?写真とずいぶん違いますね…。間違いなく扇好さんですか?着物じゃないんですか?」と言われます。
テレビに出ていないと(出られないのですが…)信用されません。
どうも世間の方は、噺家というものは普段から着物で動いていると思っているようです。会場に着いて着物に着替えるとやっと信じてもらえます。
あと、よく言われるのが「噺家さんは長屋に住んでいるんですよね」です。
今、長屋なんかほとんどありませんし、あっても借してくれません。
あとは「やっぱり風呂は、銭湯ですか?」
今、銭湯代は450円です。毎日行ったら大変な金額になります。現在、銭湯は贅沢なところです!
そして極め付きは「やっぱり噺家さんは貧乏なんですよね!」。
悔しいけれど、これは当たっています…。

打ち上げの時は、いきなり日本酒を注がれます。
「噺家は、やっぱり日本酒でしょう!」決めつけられます。
噺家だって、まずビールが呑みたい!血糖値が高い奴だってたくさんいるんだ!
でも、呼んでいただければ、どこへでも伺います。よく高座に出ると声を掛けられます。嬉しいものです。
「待ってました!」と言われると、やる気になります。この間、落語が終わったら
「待ってました!」ガッカリしました。
先日、こんな声が掛かりました。
「待ってました!手短に!」

よく高座で間違えることがあります。でも我々は驚きません。楽屋に戻りまして
「ああ、また間違えちゃった。」と言ったら仲間が
「大丈夫、大丈夫。客は素人だからわかりゃしないよ!」
ひどいことを言っております。それでも高座が、うけないと楽屋に戻りまして
「あぁ~。もうダメ。本当にダメ。今日の客。バカばっかり!」
全てお客のせいにしちゃいます。こんな噺家を許してください。
お仕事待ってます~~~。