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筆者プロフィール
▼患者は無益な情報に溺れがち 心筋梗塞で倒れてバイパス手術を受けたのは、20年前でした。今ではこの手術はさして珍しいものではありませんが、私がこの手術の必要性を医師から告げられた頃は、大きな大学病院といえども手術例は少なく、当然執刀する医師の数も限られていたようです。こんな状況でしたから、言い渡された本人はむろん、家族に至ってはパニックでした。なにしろ胸を開き心臓を取り出して詰まった血管を避けて別の回路(バイパス)をつくるという道路工事のようなことですから。 今ではこの手術が一般的になったとはいえ、患者にしてみたら想像を絶した不安であることは間違いありません。 関連医学本を読むとバルーンだとかステントとか、はたまた食事療法で治癒したとか、情報には事欠きません。医学も日進月歩で情報は溢れかえっています。 患者は、できれば手術をしたくないのが本音ですから、都合の良い情報に縋りがちです。 ▼悩む患者と多忙な医師 情報が多くなれば、患者の悩みも多くなります。事実、その後のいくつかのトラブルで入院した折り、同室の患者さんから私の経験について様々な質問を受けました。 最近では、病院側も以前と比べると丁寧な説明をしてくれるようになっていますが、こうした専門家の説明が不安を100%癒してくれるとは限りません。 また医師の方では、説明を尽くしたつもりでも、医師が患者体験したわけではありませんから、当事者である患者にしてみたら違和感があることは当然でしょう。 そして、医師にしても1人の患者にかかわずらってはいられませんから、患者側では十分な相談時間を得られなかったという不満も残ります。 ▼まずは聞き上手になる こうしたことをできるだけ少なくするために医師は説明技術を工夫したり、心臓の模型や画像など補助資材を利用し、より短時間で、よりわかりやすく、効率のよいコミュニケーションの努力をしています。 しかし、どれも患者にとっては目にも耳にも新しいことばかり。1度くらい話を聞いてもチンプンカンプンです。 それでは患者はどうすればいいか?です。 そのためには ・まず診察時間を効率よく利用すること。 ・次に医師に、余裕をもって話しができる時間をつくってもらう約束をとりつけること。 これは大概の医師が快く応じてくれるはずです。 ・事前に質問リストを用意する。 ・聴くときは必ずメモを取る。 ・聴いた話をよく反芻して理解を深めておくことをお奨めします。つまりは予習・復習です。 医師はきわめて多忙です。したがって無駄な会話は極力さけるべきです。そのためには知りたいこと、不安な点を書き出し箇条書きで質問票を作っておきましょう。 この質問票を事前に渡しておくと、医師も十分な準備ができます。 この質問票づくりには担当の看護師などのメディカルスタッフにも協力してもらいましょう。彼らは臨床現場に強い人たちですから、医師に代わって答えてくれる場合もあり、術後、日々お世話になる人たちですから、お互いの理解を深めることにも役立つでしょう。 ▼病気について勉強しておくことも大切 勉強といっても自分とのかかわり合いで勉強しておくことです。 特に男性に多いことですが、医師顔負けの知識を披露したり、医師では応えられない知識を蓄えている人がたまにいます。 しかし、プロに敵うはずはありません。ムダな知識は混乱を持ち込むことにもなりかねません。 “ポイントは自分にとってなにが大切か?”、“優先しなければならないのは何か?”、“他の選択はないのか?”、“選択した手術の利点はなにか?”、“手術後の課題、人生設計をどうすればいいのか?”です。きっちり自己分析し、要領のよい応接時間を持ちたいものです。 徒然草に曰く「詞多く、身もくたびれ、心も閑かならず、万の事障りて時を移す、互ひのため益なし」です。 手術の成功には、患者と医師との「最良のコミュニケーション」が要諦です。
心筋梗塞で倒れてバイパス手術を受けたのは、20年前でした。今ではこの手術はさして珍しいものではありませんが、私がこの手術の必要性を医師から告げられた頃は、大きな大学病院といえども手術例は少なく、当然執刀する医師の数も限られていたようです。こんな状況でしたから、言い渡された本人はむろん、家族に至ってはパニックでした。なにしろ胸を開き心臓を取り出して詰まった血管を避けて別の回路(バイパス)をつくるという道路工事のようなことですから。 今ではこの手術が一般的になったとはいえ、患者にしてみたら想像を絶した不安であることは間違いありません。 関連医学本を読むとバルーンだとかステントとか、はたまた食事療法で治癒したとか、情報には事欠きません。医学も日進月歩で情報は溢れかえっています。 患者は、できれば手術をしたくないのが本音ですから、都合の良い情報に縋りがちです。
情報が多くなれば、患者の悩みも多くなります。事実、その後のいくつかのトラブルで入院した折り、同室の患者さんから私の経験について様々な質問を受けました。 最近では、病院側も以前と比べると丁寧な説明をしてくれるようになっていますが、こうした専門家の説明が不安を100%癒してくれるとは限りません。 また医師の方では、説明を尽くしたつもりでも、医師が患者体験したわけではありませんから、当事者である患者にしてみたら違和感があることは当然でしょう。 そして、医師にしても1人の患者にかかわずらってはいられませんから、患者側では十分な相談時間を得られなかったという不満も残ります。
こうしたことをできるだけ少なくするために医師は説明技術を工夫したり、心臓の模型や画像など補助資材を利用し、より短時間で、よりわかりやすく、効率のよいコミュニケーションの努力をしています。 しかし、どれも患者にとっては目にも耳にも新しいことばかり。1度くらい話を聞いてもチンプンカンプンです。 それでは患者はどうすればいいか?です。 そのためには ・まず診察時間を効率よく利用すること。 ・次に医師に、余裕をもって話しができる時間をつくってもらう約束をとりつけること。 これは大概の医師が快く応じてくれるはずです。 ・事前に質問リストを用意する。 ・聴くときは必ずメモを取る。 ・聴いた話をよく反芻して理解を深めておくことをお奨めします。つまりは予習・復習です。 医師はきわめて多忙です。したがって無駄な会話は極力さけるべきです。そのためには知りたいこと、不安な点を書き出し箇条書きで質問票を作っておきましょう。 この質問票を事前に渡しておくと、医師も十分な準備ができます。 この質問票づくりには担当の看護師などのメディカルスタッフにも協力してもらいましょう。彼らは臨床現場に強い人たちですから、医師に代わって答えてくれる場合もあり、術後、日々お世話になる人たちですから、お互いの理解を深めることにも役立つでしょう。
勉強といっても自分とのかかわり合いで勉強しておくことです。 特に男性に多いことですが、医師顔負けの知識を披露したり、医師では応えられない知識を蓄えている人がたまにいます。 しかし、プロに敵うはずはありません。ムダな知識は混乱を持ち込むことにもなりかねません。 “ポイントは自分にとってなにが大切か?”、“優先しなければならないのは何か?”、“他の選択はないのか?”、“選択した手術の利点はなにか?”、“手術後の課題、人生設計をどうすればいいのか?”です。きっちり自己分析し、要領のよい応接時間を持ちたいものです。 徒然草に曰く「詞多く、身もくたびれ、心も閑かならず、万の事障りて時を移す、互ひのため益なし」です。 手術の成功には、患者と医師との「最良のコミュニケーション」が要諦です。
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