介護マガジン

Healthink徒然

2010/03/01 Vol.5 いずくにもあれ、そのこと、かのこと

▼入院患者の最小生活空間はベッド

健常者の最小生活空間は、住まいだと思いますが、いったん入院患者ともなると個室や大部屋は問わずベッドとなります。
しかし、このベッドでの暮らしは、活動が制約され、安全は考慮されていますが、それでも十分に危険をはらんでいます。
その第1に挙げられるのは“転落”です。
重篤でほとんど動けない状態であれば、こうした危険は少ないと思われますが、ベッド暮らしと言っても症状の程度にもよりますが活動は伴います。
そして動くことは即危険と背中合わせです。

▼病院暮らしも忙しい!

患者の日常は、思いの他に忙しいものです。一例ですが、通常朝6時には起床です。その知らせは病室または病棟の点灯。この点灯をきっかけに1日が始まります。まずやらねばならないことは、検温、体重・血圧の測定と記録用紙への記入です。排便の回数や排尿の回数、量なども自分で記載します。言わば入院患者に課せられた事務作業です。
日によっては採血もあります。こうした日課は、およそ食事が出される8:00頃までには終えておくことが通常です。
人にもよりけりですが、食事前後には洗面やトイレもあります。
それが終わると先生の回診。大先生の回診の際には(大抵は週1回ですが…)、必ずベッドで待機していなくてはなりません。これを守らないと担当医や看護師の管理能力が問われるようで、患者は協力するのが空気を読む大人の対応です。この回診が9:00頃。そして10:00頃までには処方の飲み薬が配布され、点滴の補充もあります。併せてその日のレントゲン、心電図、エコーなどの検査、さらには内視鏡やCTなどの特別検査や治療スケジュールが知らされます。
検査の多くは、空き具合によって時間のずれ込みもあるのが普通です。従って思いがけないタイミングでお呼びが掛かります。
一方、身体拭きや入浴などもあります。この際、着替えもありますが、点滴をしている場合が通常ですので看護師さんの手を煩わすことになります。従って看護師さんの都合により状況は変わります。
病院の日常は、6:00から21:00まで。このおよそ15時間の間に3度の食事、トイレ、洗面、検査となりますから、時間が余ると思われる患者生活は、意外に多忙です。人はどこにいてもあれやこれやと忙しいものですね!

▼患者は弱者

以上の活動は、ともすれば転落につながりかねません。
特に注意すべきは“朝”です。朝は日常生活でも忙しいものですが、病院でも同様。
しかし患者にとっては“血圧の低下”、“筋肉の弛緩”、“注意力の低下”など、まだ身体が活動体制に入っていないことも要注意です。
時間を気にして焦って突然立ち上がったり、ベッドから降りたりするとバランスを失い転落・転倒へとつながり兼ねません。
3日もベッド暮らしを続けると分ることですが、思っている以上に足の筋力は低下しているものです。
病院側では、危険防止のためベッドの選定やベッドの高さ、マットの勾配、柵の位置や上げ下げには配慮しているようですが、毛布やシーツの纏わり付き具合、患者の服装具合やベッド柵の凹凸などへの引っかかりなど、想定外の危険までは管理できないことでしょう。
患者になったら自分を弱者として自覚し、できる限りの配慮はしたいものです。