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以前から福祉介護関連イベントなどで参考出品していた、ダイハツ工業株式会社の「タント ウェルカムシート」がこの9月1日より、いよいよ全国一斉に発売となりました。いろいろな展示会で好評を博しており、発売を心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか? 発売がスタートした9月1日にマスコミ等記者向けの商品説明会が東京・お台場のTFTホールで開催されましたので、「タント ウェルカムシート」の魅力をうかがってきました。 軽自動車の果たす役割は大きくなる まずはダイハツ工業の広報部長・理事、大石弘之氏から、自動車の国内市場が厳しい中、2007年12月にモデルチェンジをしたタントは目標販売台数をクリアし好調であること、そして福祉車両など今後もみなさんの声を聞き、お役に立てる、そしてわくわくするような魅力のある車を開発していく、との挨拶がありました。 続いて国内企画部・特装車両室室長の菅嘉毅氏から説明がありました。 まずは福祉車両を取り巻く環境について、障害者および要介護者の数が増加傾向にあり“老老介護”の増加や介護者の75%が女性といった介護の実態について、スライドでグラフを使いながら解説しました。 また、被介護者の主な移動手段が公共交通などを抑えて自動車であること、外出頻度が週に1回未満の方が全体の56%もいること、そして外出頻度が低い層ほど外出意向が高い、といった現状について紹介がありました。 団塊世代を中心とした次世代の高齢者は、従来よりもセカンドライフを楽しみたいという意識が強いと予想され、運転しやすく経済的な軽自動車がこのような環境の中で果たす役割はますます大きくなるとの認識を示しました。 「インライン化」を推進 次にダイハツの福祉車両の取り組みについて、特長をいくつか紹介しました。そのひとつとして、ベースとなる車両を生産する工場の中で福祉車両の製造も実現する「インライン化」を推進してきたことをあげました。「インライン化」によって、低コスト、高品質、納期の短縮が実現でき、ユーザーにもメリットが多い仕組みなのだそうです。 また、軽自動車ではダイハツのみで採用している残価設定ローンを「タント スローパー」に採用していることも大きな特長で、福祉車両に適用することで、購入してもいつまで使うかわからない、標準車よりも価格が高い、下取り価格が安いのでは、といった不安を解消し、ユーザーにメリットを感じてもらえるだろうと話ししていました。 タントは「幸せ家族 感動空間」というコンセプトで開発され、特に子育てファミリーをターゲットとした車ですが、開発企画の際には50?60代のシニアにも着目しており、実際にユーザーの10%強がシニア層でした。ヒアリング調査によればタントのフロントウィンドに対して視界が広く見晴らしがよい、運転しやすい、と高い評価を得ていたそうです。また車高が高くドアを開けた時の開口部の高さも特長ですので、首や腰を曲げなくても乗り降りできるというのがシニア層には好評でした。このような評価の認識の上に立ち、新型「タント ウェルカムシート」のさまざまな使いやすい工夫が生まれたのです。 「タント ウェルカムシート」のコンセプトは「幸せ家族・思いやり・空間」 新型「タント ウェルカムシート」は、従来のコンセプトを一歩進めて「幸せ家族・思いやり・空間」としました。ミラクルオープンドアが持っている、人へのやさしさ、思いやりを加えた車にしたいという思いを込めているそうです。 さらに、新型「タント ウェルカムシート」のセールスポイントをあげると、まずなんといってもピラーレスの大開口の間口です。座面から開口部までの高さが865ミリもあり、頭上がゆったりしていてぶつかる心配はありません。また、スライドドアを開けるとシートが後ろに下げられ、座席の足元が広々しています。 続いては「2モードの昇降機能」。ミラクルオープンドアを開けた時はシートがいったんスライドして足元のスペースを広げてから回転・昇降する機能が盛り込まれていますが、それだけでなく後部のスライドドアをしめた状態でもシートが回転・昇降する機能があります。利用する方の症状や体調に合わせていろいろな使い方ができるよう配慮されています。 そして専用の大型助手席シートです。軽自動車としてはゆったりと座れ、前後のスライド機能、車外でシートベルトが装着できるベルトインシートなどを採用しています。 最後にダイハツの今後の取り組みについて、タントで実現したベース車企画への福祉車両機能を織り込むことを検討していきたいと話していました。福祉車両はベース車両が持っている機能がその商品の大部分を占めるのが実状であり、間口の狭い車に昇降シートを付けても使い心地は良くはならず、福祉機能だけ高度化してもよい商品はできない、という思いからです。今後よい商品を販売していくには、まずベースとなる車にどのような福祉機能を持たせるのかを考えるのが必須だと抱負を述べました。 他にも買いやすい環境の整備が重要と話し、その一例として、タントの一般のカタログにもウェルカムシートの写真を掲載して、福祉車両が特別な車、自分とは無関係な車とは思われないよう、違和感のない形で福祉車両に触れていただける環境づくりをしていくという思いを語りました。 デモンストレーション 菅室長のお話のあと、2名のコミュニケーターによるデモンストレーションが行われました。 「タント ウェルカムシート」の90度開く助手席ドア、スライドドアとセンターピラーレスを採用したミラクルオープンドアで開口部は軽自動車とは思えないほど広々としています。コミュニケーターがリモコンを操作すると、助手席のシートが回転してゆっくりと車外に出てきて下降しました。こちらも軽自動車とは思えないような大きくてどっしりとしたシートでした。これなら体の乗り心地も良さそうです。 続いてコミュニケーターがシートに座り、再びリモコンを操作するとシートがゆっくりと上がり、回転しながら車の中に収まっていきました。足元も頭上にもスペースに余裕があるので、大きな方でもぶつかる心配は全くありません。 シートの動きも止まった時にガクンとするようなことが全くなく、非常にスムーズでした。 隣に置かれたタントスローパーのデモもありました。こちらは今年の5月21日に発売された、車いす移動車です。コミュニケーターの一人が車いすに座り、もう一人が緩やかな傾斜のスロープを押していくと、あっという間に後部スペースに収まりました。 タントスローパーは車いすのまま乗せることができるタイプで、女性でも楽に乗車させることができる緩やかなスロープ傾斜なうえ、脱輪防止用のガイドと後退防止ベルトが付いていてスムーズかつ安全に乗り込むことができます。 また、車いす乗車スペースが広くて、フロントとサイドの両方に大きな窓があり、開放感も実現しているほか、ワイヤーフックでしっかりと固定するので、快適な乗り心地となっています。 これなら介護される方だけでなく、介護をする方の負担も減り、快適なカーライフがかなえられるでしょう。 見学会 デモが終わった後、自由に見学ができる時間がありました。記者席の後ろには、パールホワイトの「タント ウェルカムシート」と「ムーブフロントシートリフト」も展示されていました。 発表会に来ていた記者たちは写真撮影のほか、ダイハツの説明の方に質問したり「タント ウェルカムシート」の大型シートに座り、電動で回転・昇降の乗り心地を試したりしていて、会場内は盛況となっていました。 <コメント> 今までに何度か展示会などで見る機会があり、来場者からも好評な声を聞いていた「タント ウェルカムシート」がいよいよ発売となりました。友達がデビューするようなと言ったら大げさですが、なんだか嬉しい気持ちです。 各メーカーでは福祉車両のラインナップが充実してきていることは、とても喜ばしいことです。しかしながら、そのような車があること、そして施設からの送迎車だけでなく、自分で所有することができることを知らない方がまだまだたくさんいるのが現状です。 福祉車両が社会に広く認知され、そして特別な車でなく誰にでも使いやすい車であると理解が深まり、買いやすい環境の整備がさらに進むのを望んでいます。 取材協力/空間通信 池上 志保
以前から福祉介護関連イベントなどで参考出品していた、ダイハツ工業株式会社の「タント ウェルカムシート」がこの9月1日より、いよいよ全国一斉に発売となりました。いろいろな展示会で好評を博しており、発売を心待ちにしていた方も多いのではないでしょうか? 発売がスタートした9月1日にマスコミ等記者向けの商品説明会が東京・お台場のTFTホールで開催されましたので、「タント ウェルカムシート」の魅力をうかがってきました。
まずはダイハツ工業の広報部長・理事、大石弘之氏から、自動車の国内市場が厳しい中、2007年12月にモデルチェンジをしたタントは目標販売台数をクリアし好調であること、そして福祉車両など今後もみなさんの声を聞き、お役に立てる、そしてわくわくするような魅力のある車を開発していく、との挨拶がありました。
続いて国内企画部・特装車両室室長の菅嘉毅氏から説明がありました。 まずは福祉車両を取り巻く環境について、障害者および要介護者の数が増加傾向にあり“老老介護”の増加や介護者の75%が女性といった介護の実態について、スライドでグラフを使いながら解説しました。 また、被介護者の主な移動手段が公共交通などを抑えて自動車であること、外出頻度が週に1回未満の方が全体の56%もいること、そして外出頻度が低い層ほど外出意向が高い、といった現状について紹介がありました。 団塊世代を中心とした次世代の高齢者は、従来よりもセカンドライフを楽しみたいという意識が強いと予想され、運転しやすく経済的な軽自動車がこのような環境の中で果たす役割はますます大きくなるとの認識を示しました。
次にダイハツの福祉車両の取り組みについて、特長をいくつか紹介しました。そのひとつとして、ベースとなる車両を生産する工場の中で福祉車両の製造も実現する「インライン化」を推進してきたことをあげました。「インライン化」によって、低コスト、高品質、納期の短縮が実現でき、ユーザーにもメリットが多い仕組みなのだそうです。 また、軽自動車ではダイハツのみで採用している残価設定ローンを「タント スローパー」に採用していることも大きな特長で、福祉車両に適用することで、購入してもいつまで使うかわからない、標準車よりも価格が高い、下取り価格が安いのでは、といった不安を解消し、ユーザーにメリットを感じてもらえるだろうと話ししていました。
タントは「幸せ家族 感動空間」というコンセプトで開発され、特に子育てファミリーをターゲットとした車ですが、開発企画の際には50?60代のシニアにも着目しており、実際にユーザーの10%強がシニア層でした。ヒアリング調査によればタントのフロントウィンドに対して視界が広く見晴らしがよい、運転しやすい、と高い評価を得ていたそうです。また車高が高くドアを開けた時の開口部の高さも特長ですので、首や腰を曲げなくても乗り降りできるというのがシニア層には好評でした。このような評価の認識の上に立ち、新型「タント ウェルカムシート」のさまざまな使いやすい工夫が生まれたのです。
新型「タント ウェルカムシート」は、従来のコンセプトを一歩進めて「幸せ家族・思いやり・空間」としました。ミラクルオープンドアが持っている、人へのやさしさ、思いやりを加えた車にしたいという思いを込めているそうです。 さらに、新型「タント ウェルカムシート」のセールスポイントをあげると、まずなんといってもピラーレスの大開口の間口です。座面から開口部までの高さが865ミリもあり、頭上がゆったりしていてぶつかる心配はありません。また、スライドドアを開けるとシートが後ろに下げられ、座席の足元が広々しています。 続いては「2モードの昇降機能」。ミラクルオープンドアを開けた時はシートがいったんスライドして足元のスペースを広げてから回転・昇降する機能が盛り込まれていますが、それだけでなく後部のスライドドアをしめた状態でもシートが回転・昇降する機能があります。利用する方の症状や体調に合わせていろいろな使い方ができるよう配慮されています。 そして専用の大型助手席シートです。軽自動車としてはゆったりと座れ、前後のスライド機能、車外でシートベルトが装着できるベルトインシートなどを採用しています。
最後にダイハツの今後の取り組みについて、タントで実現したベース車企画への福祉車両機能を織り込むことを検討していきたいと話していました。福祉車両はベース車両が持っている機能がその商品の大部分を占めるのが実状であり、間口の狭い車に昇降シートを付けても使い心地は良くはならず、福祉機能だけ高度化してもよい商品はできない、という思いからです。今後よい商品を販売していくには、まずベースとなる車にどのような福祉機能を持たせるのかを考えるのが必須だと抱負を述べました。 他にも買いやすい環境の整備が重要と話し、その一例として、タントの一般のカタログにもウェルカムシートの写真を掲載して、福祉車両が特別な車、自分とは無関係な車とは思われないよう、違和感のない形で福祉車両に触れていただける環境づくりをしていくという思いを語りました。
菅室長のお話のあと、2名のコミュニケーターによるデモンストレーションが行われました。 「タント ウェルカムシート」の90度開く助手席ドア、スライドドアとセンターピラーレスを採用したミラクルオープンドアで開口部は軽自動車とは思えないほど広々としています。コミュニケーターがリモコンを操作すると、助手席のシートが回転してゆっくりと車外に出てきて下降しました。こちらも軽自動車とは思えないような大きくてどっしりとしたシートでした。これなら体の乗り心地も良さそうです。 続いてコミュニケーターがシートに座り、再びリモコンを操作するとシートがゆっくりと上がり、回転しながら車の中に収まっていきました。足元も頭上にもスペースに余裕があるので、大きな方でもぶつかる心配は全くありません。 シートの動きも止まった時にガクンとするようなことが全くなく、非常にスムーズでした。
隣に置かれたタントスローパーのデモもありました。こちらは今年の5月21日に発売された、車いす移動車です。コミュニケーターの一人が車いすに座り、もう一人が緩やかな傾斜のスロープを押していくと、あっという間に後部スペースに収まりました。 タントスローパーは車いすのまま乗せることができるタイプで、女性でも楽に乗車させることができる緩やかなスロープ傾斜なうえ、脱輪防止用のガイドと後退防止ベルトが付いていてスムーズかつ安全に乗り込むことができます。 また、車いす乗車スペースが広くて、フロントとサイドの両方に大きな窓があり、開放感も実現しているほか、ワイヤーフックでしっかりと固定するので、快適な乗り心地となっています。 これなら介護される方だけでなく、介護をする方の負担も減り、快適なカーライフがかなえられるでしょう。
デモが終わった後、自由に見学ができる時間がありました。記者席の後ろには、パールホワイトの「タント ウェルカムシート」と「ムーブフロントシートリフト」も展示されていました。 発表会に来ていた記者たちは写真撮影のほか、ダイハツの説明の方に質問したり「タント ウェルカムシート」の大型シートに座り、電動で回転・昇降の乗り心地を試したりしていて、会場内は盛況となっていました。
今までに何度か展示会などで見る機会があり、来場者からも好評な声を聞いていた「タント ウェルカムシート」がいよいよ発売となりました。友達がデビューするようなと言ったら大げさですが、なんだか嬉しい気持ちです。 各メーカーでは福祉車両のラインナップが充実してきていることは、とても喜ばしいことです。しかしながら、そのような車があること、そして施設からの送迎車だけでなく、自分で所有することができることを知らない方がまだまだたくさんいるのが現状です。 福祉車両が社会に広く認知され、そして特別な車でなく誰にでも使いやすい車であると理解が深まり、買いやすい環境の整備がさらに進むのを望んでいます。
取材協力/空間通信 池上 志保
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