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みなさんは「アクセシビリティ」という言葉をご存じですか?「アクセシビリティ」とは情報やサービスなどがどの程度広い範囲の人々に利用が可能なのかを表す言葉です。特に高齢者や障害者などハンディのある方々にとって利用しやすいかという意味で使われることが多い言葉ですので、皆さんの中でも聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。 ハンディのある方でも支障なく利用できるバリアフリーや、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインという考え方が様々なシーンで登場して来ていますが、これはパソコンやインターネットの世界でも重視されています。インターネットが広く使われるようになった結果、情報格差と呼ばれる問題が出てきました。パソコンやインターネットを使いこなしたり、見ることができないがために、必要な情報を手に入れることができない状況が生まれてきているのです。これを解決する手段の一つとして「Webアクセシビリティ」という考え方があります。 今回紹介する「やさしいブラウザ」は、高齢者、弱視者、パソコン初心者の方などがインターネットのウェブページを閲覧する際に、ホームページの文字や画像を大きくして見やすくしたり、文字を音声で読み上げたりすることでバリアフリーを実現するウェブサービスです。 2007年9月4日に東京・丸の内で株式会社インフォ・クリエイツによる「やさしいブラウザ」の記者発表説明会が開催されました。 「やさしいブラウザ」は日本IBMが開発したウェブ閲覧支援ツール「らくらくウェブ散策」をベースに、インフォ・クリエイツが独自機能を追加したASPサービスです。ホームページの閲覧を支援する仕組みと、情報バリアフリーにおける「ホームページの診断」を組み合わせ、2007年8月現在で、中央省庁、各種団体、自治体、民間企業など約70のサイトに提供されています。 まずはじめに、同社が実施した2006~2007年度調査として、47都道府県と政令指定都市のホームページのJIS基本診断結果が公開されました。この調査は各ホームページのアクセシビリティの状況を調べたもので、多言語に対応していない、ページタイトルが付いていない、代替テキストが用意されていない、といった「ページ不良率」「問題ファィル数」を独自で調査し、ランキングにまとめたものです。ページ不良率のランキングでは、最も不良率の低かったのが秋田県、最下位は静岡県という結果でした。 この「ホームページ診断」は同社および同社の認定ビジネスパートナーの審査員が行います。この中には在宅勤務社員として障害を持つ方がWebバリアフリー診断のエキスパートとして活躍しているそうです。文字の拡大などの機能を自社のホームページで提供したい、だが現状のホームページの内容がバリアフリーになっているか調べたい、また「やさしいブラウザ」が適用できる作りになっているか見直しをしたい、などの要望に応えるものとなっています 続いて「やさしいブラウザ」自体の機能について説明がありました。「やさしいブラウザ」機能が組み込まれたホームページには「利用ボタン」が付いています。そこをクリックすると、ユーザーは機能を利用できるようになります。ブラウザが立ち上がると、読み上げ速度、読み上げ音量、縮小拡大、配色、印刷、設定、終了といったボタンが表示されます。 「縮小拡大」はスライダーを使って50~600%の範囲で画面表示の大きさを調節できます。一般のブラウザではテキスト文字の大きさは拡大縮小ができても、画像は大きくすることができず、タイトルなど画像で提供されている文字情報はサイズが変えられませんでしたが、この機能であれば画像も拡大して見ることができます。 「読み上げ」機能は読ませたい文章の上にマウスなどでポインターを動かすことでスタートします。現在読み上げられている箇所が反転するほか、文字拡大窓に拡大表示され、視覚、聴覚の両方でサポートされます。読み上げ速度ボタンと読み上げ音量ボタンでそれぞれ5段階の調整が可能となっています。 「配色」のボタンでは、通常の白い背景に黒い文字(リンクは青)以外に、青い背景に黄色の文字(リンクは白)、黄色い背景に文字が黒(リンクは青)、黒い背景に文字が黄色(リンクは白)の4パターンが用意されています。また、詳細設定ではさらに細かく色を指定することができます。視覚障害や色弱などの方にも見やすいコントラストの配色を選べるようになっています。 「設定」ボタンでは、日本語のページでは漢字にふりがなをつけて表示させることができます。ふりがなは「ひらがな/カタカナ/ローマ字」の3種類を選択でき、外国人でも利用することができます。 最新版ではサイト管理者向けサービスツールを搭載して、アクセシビリティの簡易診断、コントラストを確認できるグレースケール表示のほか、音声読み上げの順を表示し、正しい順序で読み上げるか確認できるリニアライズ機能が追加されています。これは、せっかく読み上げ機能が付いているのに、レイアウト通りにタイトルと中の記述がきちんとした順で読み上げられなければ内容がわからなくなってしまう、といったことを防ぐためです。 「やさしいブラウザ」の動作環境は、基本ソフトウェア(OS/各日本語版)Windows XP Professional (SP1/SP2) ・Windows XP Home Edition (SP1/SP2) ・Windows 2000 Professional (SP4) ・Windows 98、Windows 98SE、Millennium Edition、ブラウザはMicrosoft Internet Explorer V5.5(SP2)、6.0、7.0となっています。 「やさしいブラウザ」の利用料は、対応ページが300ページ以下の場合は初年度年額20万円、次年度以降は年額10万円、対象ページが301ページを超える場合は別途見積もりとなります。 <コメント> 説明会が終わったあと、「やさしいブラウザ」と「アクセシビリティ簡単診断」のデモがあり、それぞれで実際に試すことができるというので、我々ほっとライン取材陣もさっそくお願いして試させていただきました。 「介護情報ほっとライン」を「やさしいブラウザ」で表示して、背景を黄色にしたり、きちんと音声で読み上げてもらえたりすると、見慣れたトップページも新鮮で、また正常に動くのを見てほっとしたりもしました。なぜならホームページの作り方によっては音声で読み上げられなかったり、また読み上げる順番がおかしくなったりしてしまうからです。 簡単診断ではHTMLの構文の間違いなど、細かな点の指摘がありました。ふだん見ている分には何の問題もないページや画像も、ユーザーの状況によっては不便なことが起きているのかもしれないと考えさせられました。知識としてある程度知っていることでも、実地で体験することによってさまざまな角度から物事が見られるようになるものです。 これからのサイト作りではさらに見やすく、わかりやすいホームページとは何かを考えながら取り組まなければ、と思いを強くしました。 取材協力/空間通信 池上 志保 「やさしいブラウザ」概要 提供企業 株式会社インフォ・クリエイツインフォメーション事業部アクセシビリテイ・グループ 機能 読み上げ(速度/音量/PDFの読み上げ/多言語対応)、画面表示(縮小・拡大/配色)ふりがな(ひらがな/カタカナ/ローマ字)、アクセシビリティ診断 など 動作環境 基本ソフトウェア(OS/各日本語版): ・Windows XP Professional (SP1/SP2) ・Windows XP Home Edition (SP1/SP2) ・Windows 2000 Professional (SP4) ・Windows 98、Windows 98SE、Millennium Edition ブラウザ:Microsoft Internet Explorer V5.5(SP2)、6.0、7.0 ホームページURL http://8341.infocreate.co.jp/index.php
みなさんは「アクセシビリティ」という言葉をご存じですか?「アクセシビリティ」とは情報やサービスなどがどの程度広い範囲の人々に利用が可能なのかを表す言葉です。特に高齢者や障害者などハンディのある方々にとって利用しやすいかという意味で使われることが多い言葉ですので、皆さんの中でも聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
ハンディのある方でも支障なく利用できるバリアフリーや、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインという考え方が様々なシーンで登場して来ていますが、これはパソコンやインターネットの世界でも重視されています。インターネットが広く使われるようになった結果、情報格差と呼ばれる問題が出てきました。パソコンやインターネットを使いこなしたり、見ることができないがために、必要な情報を手に入れることができない状況が生まれてきているのです。これを解決する手段の一つとして「Webアクセシビリティ」という考え方があります。
今回紹介する「やさしいブラウザ」は、高齢者、弱視者、パソコン初心者の方などがインターネットのウェブページを閲覧する際に、ホームページの文字や画像を大きくして見やすくしたり、文字を音声で読み上げたりすることでバリアフリーを実現するウェブサービスです。
2007年9月4日に東京・丸の内で株式会社インフォ・クリエイツによる「やさしいブラウザ」の記者発表説明会が開催されました。
「やさしいブラウザ」は日本IBMが開発したウェブ閲覧支援ツール「らくらくウェブ散策」をベースに、インフォ・クリエイツが独自機能を追加したASPサービスです。ホームページの閲覧を支援する仕組みと、情報バリアフリーにおける「ホームページの診断」を組み合わせ、2007年8月現在で、中央省庁、各種団体、自治体、民間企業など約70のサイトに提供されています。
まずはじめに、同社が実施した2006~2007年度調査として、47都道府県と政令指定都市のホームページのJIS基本診断結果が公開されました。この調査は各ホームページのアクセシビリティの状況を調べたもので、多言語に対応していない、ページタイトルが付いていない、代替テキストが用意されていない、といった「ページ不良率」「問題ファィル数」を独自で調査し、ランキングにまとめたものです。ページ不良率のランキングでは、最も不良率の低かったのが秋田県、最下位は静岡県という結果でした。
この「ホームページ診断」は同社および同社の認定ビジネスパートナーの審査員が行います。この中には在宅勤務社員として障害を持つ方がWebバリアフリー診断のエキスパートとして活躍しているそうです。文字の拡大などの機能を自社のホームページで提供したい、だが現状のホームページの内容がバリアフリーになっているか調べたい、また「やさしいブラウザ」が適用できる作りになっているか見直しをしたい、などの要望に応えるものとなっています
続いて「やさしいブラウザ」自体の機能について説明がありました。「やさしいブラウザ」機能が組み込まれたホームページには「利用ボタン」が付いています。そこをクリックすると、ユーザーは機能を利用できるようになります。ブラウザが立ち上がると、読み上げ速度、読み上げ音量、縮小拡大、配色、印刷、設定、終了といったボタンが表示されます。
「縮小拡大」はスライダーを使って50~600%の範囲で画面表示の大きさを調節できます。一般のブラウザではテキスト文字の大きさは拡大縮小ができても、画像は大きくすることができず、タイトルなど画像で提供されている文字情報はサイズが変えられませんでしたが、この機能であれば画像も拡大して見ることができます。
「読み上げ」機能は読ませたい文章の上にマウスなどでポインターを動かすことでスタートします。現在読み上げられている箇所が反転するほか、文字拡大窓に拡大表示され、視覚、聴覚の両方でサポートされます。読み上げ速度ボタンと読み上げ音量ボタンでそれぞれ5段階の調整が可能となっています。
「配色」のボタンでは、通常の白い背景に黒い文字(リンクは青)以外に、青い背景に黄色の文字(リンクは白)、黄色い背景に文字が黒(リンクは青)、黒い背景に文字が黄色(リンクは白)の4パターンが用意されています。また、詳細設定ではさらに細かく色を指定することができます。視覚障害や色弱などの方にも見やすいコントラストの配色を選べるようになっています。
「設定」ボタンでは、日本語のページでは漢字にふりがなをつけて表示させることができます。ふりがなは「ひらがな/カタカナ/ローマ字」の3種類を選択でき、外国人でも利用することができます。
最新版ではサイト管理者向けサービスツールを搭載して、アクセシビリティの簡易診断、コントラストを確認できるグレースケール表示のほか、音声読み上げの順を表示し、正しい順序で読み上げるか確認できるリニアライズ機能が追加されています。これは、せっかく読み上げ機能が付いているのに、レイアウト通りにタイトルと中の記述がきちんとした順で読み上げられなければ内容がわからなくなってしまう、といったことを防ぐためです。
「やさしいブラウザ」の動作環境は、基本ソフトウェア(OS/各日本語版)Windows XP Professional (SP1/SP2) ・Windows XP Home Edition (SP1/SP2) ・Windows 2000 Professional (SP4) ・Windows 98、Windows 98SE、Millennium Edition、ブラウザはMicrosoft Internet Explorer V5.5(SP2)、6.0、7.0となっています。 「やさしいブラウザ」の利用料は、対応ページが300ページ以下の場合は初年度年額20万円、次年度以降は年額10万円、対象ページが301ページを超える場合は別途見積もりとなります。
説明会が終わったあと、「やさしいブラウザ」と「アクセシビリティ簡単診断」のデモがあり、それぞれで実際に試すことができるというので、我々ほっとライン取材陣もさっそくお願いして試させていただきました。
「介護情報ほっとライン」を「やさしいブラウザ」で表示して、背景を黄色にしたり、きちんと音声で読み上げてもらえたりすると、見慣れたトップページも新鮮で、また正常に動くのを見てほっとしたりもしました。なぜならホームページの作り方によっては音声で読み上げられなかったり、また読み上げる順番がおかしくなったりしてしまうからです。
簡単診断ではHTMLの構文の間違いなど、細かな点の指摘がありました。ふだん見ている分には何の問題もないページや画像も、ユーザーの状況によっては不便なことが起きているのかもしれないと考えさせられました。知識としてある程度知っていることでも、実地で体験することによってさまざまな角度から物事が見られるようになるものです。
これからのサイト作りではさらに見やすく、わかりやすいホームページとは何かを考えながら取り組まなければ、と思いを強くしました。
取材協力/空間通信 池上 志保
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