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筆者プロフィール
今回は源泉徴収、年末調整、社会保険などを、“言葉は知っているけど、そのこと自体はよく知らなかった”ことで、大変な思いをされた20代・Jさんのお話です。 Hさんの事例 ■ 年齢/性別: 20代・女性 ■ 在 住:東京都 ■ 障 害:下肢2級 ■ 業種/職種:金融機関・本社管理部での一般事務 Jさんは先天的に両足に麻痺がありますが、小学校・中学校・高校・大学と健常者の方々と一緒に普通校を順調に卒業し、パソコンが得意なこともありSE(システムエンジニア)としてIT系企業に就職しました。 最初の3ヵ月は新人研修を社内で受け、新人1年目の夏からシステム開発の業務を受託している取引先企業へ出向し、先輩や出向先企業のシステム部の方々と一緒に1日中パソコンに向かってシステムに関する仕事を行う日々がスタートしたのです。 最初は、上司や先輩の指示のとおりに作業を行うだけで精一杯でしたが、慣れてくるとプログラムの不具合を確認する作業や、プログラムの修正作業などもできるようになりました。あっと言う間に1年の出向期間が終わり、2年目の夏には新しい取引先に出向することとなりました。 会社の指示通り別の会社に出向しても、仕事はシステムに関する似たような内容でした。また、自分の会社の先輩もいれば、出向先のSEの方や他のシステム会社から来ている人など、様々な所属の人がいることも前の出向先と同じでした。JさんにとってSEの世界とはそれが普通の状態で、そんな中で日々仕事に追われていました。 当初の予定では1年を越える出向と言われていた2社目の仕事が、会社の都合で半年を過ぎたところで一旦呼び戻され、新しい仕事の相談がありました。しかし下肢障害のため、何度か乗り継ぎを必要とする通勤は困難なために、通勤可能な範囲の新しいシステム関連の仕事の受託先へ行くこととなりました。 残念なことに、この3社目の仕事は3ヵ月で終わり、景気の悪化と共に会社が受託する業務も減少、Jさんは自宅待機となり、次の仕事の目処が付かないまま半年が経過しました。 “このまま受身で待っていても…”と、Jさんは思い切って転職活動を行うことにして、2009年秋に弊社(テンプスタッフフロンティア)に登録にお越しになり、前述のとおりの履歴書・職務経歴書を私どもが拝見することになりました。 SEとしては経験が浅いのですが、パソコン操作が得意な事務職として、IT系とは違う業界の求人にJさんを推薦したところ、ある金融機関からトントン拍子で内定をいただくことができ、Jさんもキャリアチェンジになることを了承して、内定を受諾されました。 源泉徴収票、年金、社会保険…やはり知識が必要に 12月入社の手続のために、入社前に用意する物の中に源泉徴収票がありました。Jさんは自宅待機とはいえIT系企業に在職しているので、2009年は現職と転職先の二つの会社から給与をいただくことになるから、転職先の会社で年末調整を正しく行うには、前の会社の源泉徴収票が必要になります。 数日後、Jさんに“源泉徴収票はもらえましたか?”と尋ねたところ“貰えない…”ような、“無い…”ような、何とも要領の得ないお答えが戻ってきました。その上、2009年の1月から3ヵ月間出向していた時の給与明細を、今、改めて見たら知らない会社から給与が出されていたとの連絡がありました。これはトンデモナイことになった!と、“電話ではハッキリしないので、手元の書類を全部もって来てください”とJさんを弊社にお呼びすることになりました。 結論から先にお話をすると、Jさんは2社目の出向が終了した2008年末に退職扱いとなり、2009年1月から3ヵ月は、人材派遣会社の社員として3社目に派遣されており、4月以降は離職者となっていたようです。 Jさんが新卒社員として入社したIT系企業は、Jさんに雇用形態や出向のこと、派遣会社への転籍のこと、退職に伴う社会保険=健康保険、企業年金、雇用保険の切り替えのこと等、説明をされていたようで、Jさん本人も“何となく聞いたような気がする…けど、よく分からないままに、すべて会社のおっしゃるとおりにしていた”とのことでした。 こうなると、内定を提示してくださった金融機関から、Jさんが提出した履歴書・職務経歴書が事実と違うことを指摘されるのは仕方ないとして、最悪、履歴詐称により内定取消とされる可能性もあります…。しかし幸いにも、金融機関の人事採用担当の方が、Jさん本人と弊社から詳しく事情をヒアリングし、稟議書の再提出をして採用決定に変更が無いことを約束してくださいました。 途中の確認作業でJさん本人には、“給与明細や給与振込口座を見てないの?”、“健康保険証が差し替えになったのでは?”、“雇用保険被保険者証をもらったのでは?”、“年金手帳は?”と、たくさんの問い合わせがありました。Jさんはその質問に、的確に答えられないことが多く、ご自身の理解・知識が足らないことと、年金や税金、社会保険の難しい制度が直接自分に関係していることを、初めて認識されました。 会社員生活では忘れがちな年金や税金の処理 最近の学校では、年金や税金、社会保険のことを教えてもらえるかもしれませんが、私が学生のころ…二十数年前は、そもそも学校で教えてもらえることでも、よく分からないし、忘れることも多いし…まぁそれは大畑個人の問題としても、Jさん1人だけが、知らないことが多いとは思えない出来事でした。 また会社勤めをしていても、総務の言うとおりに年末調整の書類を書いて、多少違っていても誰かが上手く処理してくれることが多い会社に長くいると、知らないままになっていて、ひょっとするといずれ痛い思いをすることがあるかもしれませんね。 最後に余談ですが…“Jさんの雇用主がIT企業以外にあるのか?無いのか?本人に聞いて分からないなら、年金手帳を確認しなさい!”と大畑が指示した後、Jさんに「ねんきん特別便」が届きました。年金記録が正しいかどうか分からないのでご本人さまに確認をお願いします…というお役所からのお手紙です。それは年金手帳に正しい情報が記載されていると思い込んでいた大畑にとってショックでした。年金や社会保険は、確かに分かりづらく難しいことが多いものですが、お役所や他人任せではなく、自分でもしっかりと把握していなければいけませんね。 軽視しがちな給与明細、捨てずに保管した方が良いようです。 情報提供:
今回は源泉徴収、年末調整、社会保険などを、“言葉は知っているけど、そのこと自体はよく知らなかった”ことで、大変な思いをされた20代・Jさんのお話です。
■ 年齢/性別: 20代・女性 ■ 在 住:東京都 ■ 障 害:下肢2級 ■ 業種/職種:金融機関・本社管理部での一般事務
Jさんは先天的に両足に麻痺がありますが、小学校・中学校・高校・大学と健常者の方々と一緒に普通校を順調に卒業し、パソコンが得意なこともありSE(システムエンジニア)としてIT系企業に就職しました。 最初の3ヵ月は新人研修を社内で受け、新人1年目の夏からシステム開発の業務を受託している取引先企業へ出向し、先輩や出向先企業のシステム部の方々と一緒に1日中パソコンに向かってシステムに関する仕事を行う日々がスタートしたのです。 最初は、上司や先輩の指示のとおりに作業を行うだけで精一杯でしたが、慣れてくるとプログラムの不具合を確認する作業や、プログラムの修正作業などもできるようになりました。あっと言う間に1年の出向期間が終わり、2年目の夏には新しい取引先に出向することとなりました。 会社の指示通り別の会社に出向しても、仕事はシステムに関する似たような内容でした。また、自分の会社の先輩もいれば、出向先のSEの方や他のシステム会社から来ている人など、様々な所属の人がいることも前の出向先と同じでした。JさんにとってSEの世界とはそれが普通の状態で、そんな中で日々仕事に追われていました。 当初の予定では1年を越える出向と言われていた2社目の仕事が、会社の都合で半年を過ぎたところで一旦呼び戻され、新しい仕事の相談がありました。しかし下肢障害のため、何度か乗り継ぎを必要とする通勤は困難なために、通勤可能な範囲の新しいシステム関連の仕事の受託先へ行くこととなりました。 残念なことに、この3社目の仕事は3ヵ月で終わり、景気の悪化と共に会社が受託する業務も減少、Jさんは自宅待機となり、次の仕事の目処が付かないまま半年が経過しました。 “このまま受身で待っていても…”と、Jさんは思い切って転職活動を行うことにして、2009年秋に弊社(テンプスタッフフロンティア)に登録にお越しになり、前述のとおりの履歴書・職務経歴書を私どもが拝見することになりました。 SEとしては経験が浅いのですが、パソコン操作が得意な事務職として、IT系とは違う業界の求人にJさんを推薦したところ、ある金融機関からトントン拍子で内定をいただくことができ、Jさんもキャリアチェンジになることを了承して、内定を受諾されました。
12月入社の手続のために、入社前に用意する物の中に源泉徴収票がありました。Jさんは自宅待機とはいえIT系企業に在職しているので、2009年は現職と転職先の二つの会社から給与をいただくことになるから、転職先の会社で年末調整を正しく行うには、前の会社の源泉徴収票が必要になります。 数日後、Jさんに“源泉徴収票はもらえましたか?”と尋ねたところ“貰えない…”ような、“無い…”ような、何とも要領の得ないお答えが戻ってきました。その上、2009年の1月から3ヵ月間出向していた時の給与明細を、今、改めて見たら知らない会社から給与が出されていたとの連絡がありました。これはトンデモナイことになった!と、“電話ではハッキリしないので、手元の書類を全部もって来てください”とJさんを弊社にお呼びすることになりました。 結論から先にお話をすると、Jさんは2社目の出向が終了した2008年末に退職扱いとなり、2009年1月から3ヵ月は、人材派遣会社の社員として3社目に派遣されており、4月以降は離職者となっていたようです。 Jさんが新卒社員として入社したIT系企業は、Jさんに雇用形態や出向のこと、派遣会社への転籍のこと、退職に伴う社会保険=健康保険、企業年金、雇用保険の切り替えのこと等、説明をされていたようで、Jさん本人も“何となく聞いたような気がする…けど、よく分からないままに、すべて会社のおっしゃるとおりにしていた”とのことでした。 こうなると、内定を提示してくださった金融機関から、Jさんが提出した履歴書・職務経歴書が事実と違うことを指摘されるのは仕方ないとして、最悪、履歴詐称により内定取消とされる可能性もあります…。しかし幸いにも、金融機関の人事採用担当の方が、Jさん本人と弊社から詳しく事情をヒアリングし、稟議書の再提出をして採用決定に変更が無いことを約束してくださいました。 途中の確認作業でJさん本人には、“給与明細や給与振込口座を見てないの?”、“健康保険証が差し替えになったのでは?”、“雇用保険被保険者証をもらったのでは?”、“年金手帳は?”と、たくさんの問い合わせがありました。Jさんはその質問に、的確に答えられないことが多く、ご自身の理解・知識が足らないことと、年金や税金、社会保険の難しい制度が直接自分に関係していることを、初めて認識されました。
最近の学校では、年金や税金、社会保険のことを教えてもらえるかもしれませんが、私が学生のころ…二十数年前は、そもそも学校で教えてもらえることでも、よく分からないし、忘れることも多いし…まぁそれは大畑個人の問題としても、Jさん1人だけが、知らないことが多いとは思えない出来事でした。 また会社勤めをしていても、総務の言うとおりに年末調整の書類を書いて、多少違っていても誰かが上手く処理してくれることが多い会社に長くいると、知らないままになっていて、ひょっとするといずれ痛い思いをすることがあるかもしれませんね。
最後に余談ですが…“Jさんの雇用主がIT企業以外にあるのか?無いのか?本人に聞いて分からないなら、年金手帳を確認しなさい!”と大畑が指示した後、Jさんに「ねんきん特別便」が届きました。年金記録が正しいかどうか分からないのでご本人さまに確認をお願いします…というお役所からのお手紙です。それは年金手帳に正しい情報が記載されていると思い込んでいた大畑にとってショックでした。年金や社会保険は、確かに分かりづらく難しいことが多いものですが、お役所や他人任せではなく、自分でもしっかりと把握していなければいけませんね。
軽視しがちな給与明細、捨てずに保管した方が良いようです。
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