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筆者プロフィール
今回のケースは、通信業界のSEとして活躍していたKさんの、40代になって視力が落ちても、今までの専門的な経験が高く評価された転職例です。 Kさんの事例 ■ 年齢/性別:40代前半・男性 ■ 在 住:埼玉県 ■ 障 害:視覚5級 ■ 業種/職種:外資系保険会社・SE Kさんは先天性の網膜色素変性症ですが、30代中頃にぶどう膜炎を発症したことで合併症が出るまでは健常者として過ごしてきました。現在は、部分的(まだら)に視野が欠け、眼鏡で矯正して0.1と0.5の視力で、日常生活に問題はありません。業務では、10ポイント以下の文字は拡大鏡を使い、小さな文字の長文(長い発言の議事録・マニュアルなど、区切りが少なく文字数が多いペーパー等)は、まだらに薄くなり見難い部分が顕著になることがあるので、PCの読み上げソフトを使うこともある状態です。 新卒・新入社員として最初に就職した会社は大手通信事業会社で、ネットワークエンジニアとして顧客のシステムの保守・運用から徐々にカスタマイズや、開発の補助などに携わっていきました。その次はベンチャー系の通信会社2社で同様のシステムエンジニアの仕事と、セールスエンジニアの仕事を経験し、顧客の業務を分析して最適なシステムの構築を提案することと、それを実際に開発するエンジニアに作ってもらうための指示=要件定義・システム設計を行うことも、小規模で少ない件数ながら経験を積んできました。 視力・視野に障害が生じて退職した後は、外資系製薬メーカーの社内システム部に障害者として採用され、自社システムの保守・運用管理を経験し、その次に大手通信会社の関連子会社でテクニカルサポート業務の効率化=重複業務の統廃合やコストダウンの仕事を経験し、昨年秋に弊社(テンプスタッフフロンティア)に転職相談にお越しになりました。 一般論ですが、健常者でも40代になるとシステムエンジニアとして現場の第一線で働き続けることや、まして転職することは困難なものです。その上にKさんは、視力・視野に障害が途中から発症したためコンピュータープログラムを作成したり、動作検証をしてバグ(不具合)の有無を確認したり、プログラムの修正などPCを長時間使う、といった仕事が身体的に厳しいこともありました。Kさんの経験を活かして転職先を探すにあたり、どの業界、どの職種、どんな仕事が良いか?を、ご本人と色々相談しました。 ゲーム、ネットセキュリティ、通信関連などの企業で、障害者採用を行っているところに複数応募したところ、書類選考はほぼOKで、1次面接も複数の会社でOKが出て、多くの会社で人事部の段階では「ぜひ採用したい!」と言われました。ですが、配属予定先の責任者と最終面接を行うと、システムに関係する専門的な業務の話となり、やはり心配したとおり、微妙に現場のメンバーと年齢がズレるといった違和感や、長期的に考えた場合に視力・視野の障害が業務遂行上のネック(あるいは、ご本人の負担)になることが予想され、採用内定の言葉がなかなか出てきません。 障害者を採用する予定でなかったけれど しかし、今までにKさんが関係したことのない保険会社で、ちょうど新しいシステムの導入を決定し、新システムの管理をする人材と、ユーザー(社員)のサポートをするチームの編成を検討していて、中途採用で社外から経験者を増員することも考えているとのお話がタイミング良く出てきました。でもその保険会社は当初、そのポジションに障害者を採用することは考えてはいませんでした。 新システムを社内用にカスタマイズする仕事は、Kさんが障害を負う前に経験した仕事と類似しています。既存システムと新システム、両方のサポート業務を重複なく、効率よく運用していく仕事は、Kさんが前職で経験している仕事に近いものだったのです。 一般の中途採用を考えていた保険会社に、Kさんを推薦するにあたり、障害に関する注意点(リスク)と、どんな配慮を希望するのかを丁寧に説明し、過去の経験と現在の年齢から考えて、20代・30代の社員さんを管理するポジションでいかがでしょうか?とお薦めしたところ「もう少し若い人を採用したいと思っていたが、Kさんの経験はまさに希望どおり、採用したい人材です!」とのことでした。 障害に伴う業務上の制限(長時間のPC操作や、細かい文字の認識が厳しいこと等)は、推薦どおり管理的なポジションの仕事であれば、恐らく気にすることはないだろうが、それなりの責任と判断を求めることになる・・・との企業側のお話に対して、Kさんは「転職のスタート地点(ポジション)としては望むところであり、更にキャリアアップできるよう頑張ります!」と大変意欲的で、結果は相思相愛の内定となりました。 専門的なスキルにプラスして、年齢に応じたキャリアが求められることも 今回のポイントは、専門性が高い経験があると有利ということだけでなく、40代になると管理職のポジションで働くことができるか?という年齢に応じた責任や判断を求められることもある事例の成功例だと思います。もっともKさんの場合は、とても40代に見えない若さと、意欲的で嫌味のないお人柄も、重要な成功要因だったと思います。 責任のあるポジションで、もしかしたら判断を間違うことで部署や会社に迷惑を掛けるリスクを負っても、自分のスキル・経験・意欲に自信を持ち、まだ見ぬ職場での業務上・人間関係上の様々な問題を乗り越えて、さらに自分自身の障害に伴うリスクをも含めて「そのポジションで、その重要な仕事を、最後まで(成功するまで、あるいは定年まで)責任を持って遂行します!」とアピールできれば、企業は採用したくなるのだと思います。 キャリアアップ、スキルアップという言葉がありますが、今までの経験に固執して、その専門分野の仕事ばかり行って、年齢を重ねていくと…意外とアップしてないことがあります。企業人事は「その年齢だと管理職レベルの仕事になるんだよね…」とか、「専門性は高いけど、マネジメントの経験は無いんですか…」等と言うことがあります。スキル(専門性)は高いけど、キャリアが低空飛行で、年齢が高くなると、障害の有無に関係なく、再就職が厳しくなるのが現実です。 そういったことを見据えてキャリアパスをしていくことも大切だと思いますが、スキルやキャリアはまだ不足しているし年齢は高い…でも意欲が高い!という人にも、就職のチャンスがある世の中になるよう念じます。 がんばれニッポン! オリンピックも頑張れ!! 情報提供:
今回のケースは、通信業界のSEとして活躍していたKさんの、40代になって視力が落ちても、今までの専門的な経験が高く評価された転職例です。
■ 年齢/性別:40代前半・男性 ■ 在 住:埼玉県 ■ 障 害:視覚5級 ■ 業種/職種:外資系保険会社・SE
Kさんは先天性の網膜色素変性症ですが、30代中頃にぶどう膜炎を発症したことで合併症が出るまでは健常者として過ごしてきました。現在は、部分的(まだら)に視野が欠け、眼鏡で矯正して0.1と0.5の視力で、日常生活に問題はありません。業務では、10ポイント以下の文字は拡大鏡を使い、小さな文字の長文(長い発言の議事録・マニュアルなど、区切りが少なく文字数が多いペーパー等)は、まだらに薄くなり見難い部分が顕著になることがあるので、PCの読み上げソフトを使うこともある状態です。
新卒・新入社員として最初に就職した会社は大手通信事業会社で、ネットワークエンジニアとして顧客のシステムの保守・運用から徐々にカスタマイズや、開発の補助などに携わっていきました。その次はベンチャー系の通信会社2社で同様のシステムエンジニアの仕事と、セールスエンジニアの仕事を経験し、顧客の業務を分析して最適なシステムの構築を提案することと、それを実際に開発するエンジニアに作ってもらうための指示=要件定義・システム設計を行うことも、小規模で少ない件数ながら経験を積んできました。
視力・視野に障害が生じて退職した後は、外資系製薬メーカーの社内システム部に障害者として採用され、自社システムの保守・運用管理を経験し、その次に大手通信会社の関連子会社でテクニカルサポート業務の効率化=重複業務の統廃合やコストダウンの仕事を経験し、昨年秋に弊社(テンプスタッフフロンティア)に転職相談にお越しになりました。
一般論ですが、健常者でも40代になるとシステムエンジニアとして現場の第一線で働き続けることや、まして転職することは困難なものです。その上にKさんは、視力・視野に障害が途中から発症したためコンピュータープログラムを作成したり、動作検証をしてバグ(不具合)の有無を確認したり、プログラムの修正などPCを長時間使う、といった仕事が身体的に厳しいこともありました。Kさんの経験を活かして転職先を探すにあたり、どの業界、どの職種、どんな仕事が良いか?を、ご本人と色々相談しました。
ゲーム、ネットセキュリティ、通信関連などの企業で、障害者採用を行っているところに複数応募したところ、書類選考はほぼOKで、1次面接も複数の会社でOKが出て、多くの会社で人事部の段階では「ぜひ採用したい!」と言われました。ですが、配属予定先の責任者と最終面接を行うと、システムに関係する専門的な業務の話となり、やはり心配したとおり、微妙に現場のメンバーと年齢がズレるといった違和感や、長期的に考えた場合に視力・視野の障害が業務遂行上のネック(あるいは、ご本人の負担)になることが予想され、採用内定の言葉がなかなか出てきません。
しかし、今までにKさんが関係したことのない保険会社で、ちょうど新しいシステムの導入を決定し、新システムの管理をする人材と、ユーザー(社員)のサポートをするチームの編成を検討していて、中途採用で社外から経験者を増員することも考えているとのお話がタイミング良く出てきました。でもその保険会社は当初、そのポジションに障害者を採用することは考えてはいませんでした。
新システムを社内用にカスタマイズする仕事は、Kさんが障害を負う前に経験した仕事と類似しています。既存システムと新システム、両方のサポート業務を重複なく、効率よく運用していく仕事は、Kさんが前職で経験している仕事に近いものだったのです。
一般の中途採用を考えていた保険会社に、Kさんを推薦するにあたり、障害に関する注意点(リスク)と、どんな配慮を希望するのかを丁寧に説明し、過去の経験と現在の年齢から考えて、20代・30代の社員さんを管理するポジションでいかがでしょうか?とお薦めしたところ「もう少し若い人を採用したいと思っていたが、Kさんの経験はまさに希望どおり、採用したい人材です!」とのことでした。
障害に伴う業務上の制限(長時間のPC操作や、細かい文字の認識が厳しいこと等)は、推薦どおり管理的なポジションの仕事であれば、恐らく気にすることはないだろうが、それなりの責任と判断を求めることになる・・・との企業側のお話に対して、Kさんは「転職のスタート地点(ポジション)としては望むところであり、更にキャリアアップできるよう頑張ります!」と大変意欲的で、結果は相思相愛の内定となりました。
今回のポイントは、専門性が高い経験があると有利ということだけでなく、40代になると管理職のポジションで働くことができるか?という年齢に応じた責任や判断を求められることもある事例の成功例だと思います。もっともKさんの場合は、とても40代に見えない若さと、意欲的で嫌味のないお人柄も、重要な成功要因だったと思います。
責任のあるポジションで、もしかしたら判断を間違うことで部署や会社に迷惑を掛けるリスクを負っても、自分のスキル・経験・意欲に自信を持ち、まだ見ぬ職場での業務上・人間関係上の様々な問題を乗り越えて、さらに自分自身の障害に伴うリスクをも含めて「そのポジションで、その重要な仕事を、最後まで(成功するまで、あるいは定年まで)責任を持って遂行します!」とアピールできれば、企業は採用したくなるのだと思います。
キャリアアップ、スキルアップという言葉がありますが、今までの経験に固執して、その専門分野の仕事ばかり行って、年齢を重ねていくと…意外とアップしてないことがあります。企業人事は「その年齢だと管理職レベルの仕事になるんだよね…」とか、「専門性は高いけど、マネジメントの経験は無いんですか…」等と言うことがあります。スキル(専門性)は高いけど、キャリアが低空飛行で、年齢が高くなると、障害の有無に関係なく、再就職が厳しくなるのが現実です。
そういったことを見据えてキャリアパスをしていくことも大切だと思いますが、スキルやキャリアはまだ不足しているし年齢は高い…でも意欲が高い!という人にも、就職のチャンスがある世の中になるよう念じます。 がんばれニッポン! オリンピックも頑張れ!!
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