汗かきケアワーク奔走記

バックナンバー
北野 清
(きたの きよし)

北野 清

【プロフィール】
大学に通いながら、ヘルパー、デイサービスで働いていました。福祉系の大学も、専門学校も出ていませんが、現場で、高齢者や障害者のそばでの経験はあります。私自身、実家では2人の高齢者と障害を持つ弟と暮らしていました。そんな経験をもとに、現場にこだわって、現場の声を伝えていこうと思います。肩肘はらず、難しいことはぬきにして、わかりやすく伝えていきたいです。
【コメント】
この度、日記、アドバイザーとして、みなさまと接することができ、これも何かの縁だと思います。この貴重なチャンスを通して、みなさまの何か助けになれればと思います。そして私自身も一緒に成長できればと思います。
【趣味】
音楽鑑賞

 

2006/04/25 最終回

どうも、アドバイザーの北野です。皆様のゴールデンウィークのご予定はいかがでしょうか?私は毎年のことながら仕事です。

そんな中、突然で申し訳ないのですが、今回で私のこのコラムは最終回とさせていただくことになりました。

思えばこのコラムを始めたのは約1年半前の秋のこと。初めての役割で戸惑いつつも、第1回の自己紹介を書き、どきどきしながら原稿を送ったのを思い出します。その後は私が働くデイサービス・通所介護のことやそのなかで培った経験を紹介させていただいてきました。介護職という、現場にもっとも近いところで汗を流している状況を紹介できれば良いなと思ってました。内容は季節ごとの行事の紹介やプログラムの紹介、豆知識などでした。最後の方は介護保険の改正のことや愚痴ばっかりだった気がします。中には仕事とは何の関係も無いことを書いてしまったこともありました。DVDや焼き鳥屋の回は今読み直すと恥ずかしくなってしまいます。

私自身、この連載を続けたことで、非常に勉強になりました。自分が日々行っている仕事や自分が考えていることを見つめ直すことが出来ました。コラムを書くことで良い部分も悪い部分も見え、そこから職場にフィードバックしたことは多々あります。そしてコラムを書いたり、皆様からの相談に答えることを通じて様々なことを調べました。これは私にとっても貴重な財産になりました。

連載の間、私が置かれる状況も変化してきました。初めて書きますが、一昨年には介護支援専門員の資格を取得し、現在修行中です。4月からは生活相談員として業務を行っています。個人的には実家の水災や祖父の死などがありました。年齢も20代から30代になりました。こんなに変化に富んだ大切な時期を皆様と共有できたことに感謝します。

最後までまとまりの無い文章ですみません。コラムを読んでいただいた方、ありがとうございます。掲示板に書き込んでくれた方、ありがとうございます。そして、「介護情報ほっとライン」スタッフの皆様、ありがとうございます。この場を借りて関わりのあった全ての方に感謝します。

これからは一読者として、このサイトをずっと応援していくつもりです。
ありがとうございました。

このページのTOPへ

2006/04/18 初回訪問

私が働く通所介護施設を利用するには、どういう経緯をとればよいのかを紹介します。
まずは介護支援専門員(ケアマネージャー)に相談することから始まります。その相談をもとに、ケアマネージャーが通所介護サービスを使った方が良いと判断すれば、申込書が施設に送られてきます。一応この時点で、申し込みは完了です。その後、曜日によって空き状況が違うので、利用したい曜日を相談します。そしてご家庭を訪問させていただき、契約と身体状況、送迎や入浴の有無を確認して、通所開始となります。これらの流れはどのサービスを使う場合でも、さほど違いは無いと思います。

契約と身体状況をうかがう、この初回訪問。介護保険が始まるまで、私の施設では介護職が主に行っていました。しかし介護保険が始まり、契約が伴うようになってからは、主に生活相談員が行っています。

以前、その契約がなかった時代に、私は介護職としてこの初回訪問を行っていたことがあります。主にその方の身体状況や介護するにあたっての注意点、生活歴や家族環境、嗜好などの状況を把握します。そしてその状況をスタッフで共有し、初日に向かうのです。

初めて出会った方からこのようなことまで聞きだすのは難しく、いざ通所を開始してみれば、予想していたイメージとまったく違った人物だったことも多くありました。

その後、先ほど言ったように生活相談員が初回訪問を行うようになったとたん、介護職である私は自分のことを棚に上げて、情報が少ない、全然違うなどと言いたいことを言っていました。

ところがこの4月から私は生活相談員になってしまいました。初回訪問を何年か振りに行うことになり、文句を言う立場から言われる立場になったのです。実際、生活相談員になったその日から申し込みがあり、早速訪問してきました。訪問するまでは、以前の経験もあるので、多少余裕を持っていたのですが、いざ訪問すると、長年のブランクのためか、まったく情報を得ることができませんでした。 

改めて、初回訪問の難しさを思い知りました。

このページのTOPへ

2006/04/11 改正

最近になって私の行う仕事の内容が変化してきました。

思えば、大学を卒業後、就職してから早7年が過ぎました。就職して2年目を迎える時に、国を挙げての大改革だった介護保険がスタートしました。当時はその対応に追われたせいで、部屋に帰るのが午前2時、3時の日々が続き、正直凹んでいました。そんな私も、最近は職場で職員をまとめるような役割になってきたり、業務も多岐にわたってきました。「北野くん」から「北野さん」に、私の呼ばれ方も変わってきました。

まだ私が何もわからず働いていた頃にスタートした、その介護保険も丸5年が経過し、今年4月からさらに大幅な改正が加えられ、新しい介護保険としてスタートしています。新たな方針が年度末ぎりぎりになって国から提示されたものですから、どこの事業所も右往左往しています。それに関係する様々な企業や会社も大慌てでしょう。

第一印象では、今回の改正は「通所介護」の認識があまりにも低いと感じています。行政から見れば、高齢者の幼稚園と感じるかもしれません。でも、このサービスを気に入って利用している方たちがいることを、認識して欲しいと個人的には思っています。

介護予防事業と加えて強化されるのが、認知症の方への支援。グループホームや夜間の看護サービスなどです。これに関しては実際に介護されている方は助かると思います。しかし、認知症の程度が、周辺行動が無いため要支援にはならない方や、認知症は無いけれども麻痺があって誰かの助けを借りないと日常生活ができない方への支援はどうなのでしょう?現状、何も無いのです。実際はこの方々の介護負担の方が大きいと思います。施設へ入所するわけにはいかないので、通所サービスや訪問サービスを利用していたのに、4月の改正で訪問介護の時間に制限ができてしまったのです。

しかし、どんな方針であろうとも、私たちは国が示した方針で業務を行っていくしかないのです。疑問は数多くあります。それでも、私たちは仕事を辞めるわけにはいかないのです。我々よりも、サービスを受ける利用者さんやご家族の方こそ、突然すぎるこの大改革・大変化に戸惑い、右往左往しているでしょうから。

このページのTOPへ

2006/04/04 問題行動

突然ですが、今日一日の私の行動です。朝7時に起きて身支度をし、電車を乗り継いで職場に出勤。一日の業務を終え、少し残業をして、退社。途中、居酒屋でちょっと飲んで帰宅。私がとった一連の行動、そのすべてには訳があります。仕事があるから起床して電車を乗り継ぐ。日々の業務を行い、料理を作るのが面倒だから、居酒屋に寄って晩御飯を済ませる。人間をはじめ、生命ある動物は全て根拠を持って行動していると思います。

私の働く施設では最近、認知症の方が増えてきました。認知症の方によくある行動が帰宅欲求や徘徊です。常に帰りたがったり、施設内を歩きまわります。目を離すと、施設を抜け出して行方不明になってしまうこともあります。恥ずかしい話ですが実際、私の働く施設でも警察にお世話になったこともあります。

想像してみてください。眠りから目覚めました。自分が知らない部屋にいます。それに加え知らない人が大勢います。さてどうしますか?私だったら、とりあえず知っている人を探します。そして、知っている場所や風景を探します。自分が住んでいる部屋や家に帰ろうとします。おそらくパニックになり、恐怖さえ覚えるかもしれません。皆さんはどうでしょうか?おまけに、その行動を他人に拒まれたらどうでしょう?不安で混乱しますよね。

これが認知症の方の考えだと思います。脳の欠陥の影響で自分がどんな状況でここにいて、何をしているのかを本人は認知できないのです。だから、混乱してしまうのは当たり前ですよね。

認知症の方にも、もちろん人格はあります。自分で考えて行動しています。いわゆる「問題行動」というものは、職員側にとっての「問題」であって、その本人にとっては根拠があり、筋道が通った当たり前のことなのです。

認知症の方がとる行動にも、背景には必ず理由があるのです。そこを考えられるかどうかによって、対応の仕方は変わってくると思います。なりたくて認知症になった方はいないと思います。その人の人格を大切にしていきたいです。

このページのTOPへ

<前月へバックナンバー|次月へ>

Copyright Delphys Inc. All rights reserved.