介護マガジン

ホームヘルパー長谷川華子の「ハツラツデイワーク 奮励記」

2008/10/21 柿の渋抜き

施設の裏庭に柿の木があります。去年、枝から柿の実を取ったため、去年に比べて柿の実の数は減ってしまいましたが、今年も大きな実をつけてくれました。「ここの柿は渋柿だから、渋を抜かないと駄目だよ」とご利用者様のお一人が教えてくださいました。私は“渋柿は渋くて食べられないもの”と思い込んでいたので、「渋を抜く」とはどういう意味なのか分かりませんでした。「渋柿の渋を抜く方法は、柿のへたの部分を度数の高い焼酎に付けるの。それをバケツでもいいから、柿を傷つけないように並べて密封して置いておくと、渋が抜けておいしい柿ができるんだよ」と柿を手に取り教えてくださいました。教えていただいた事に驚きと関心を持ちながら、まごつきつつもやっていると「貸してみて、こうするんだよ」と得意げな表情で手本をみせてくださいました。

高齢になると、何かしようとしてもなかなか思い通りにできず、そのうち何もやりたくなくなってしまいます。ご自身ができる範囲の事はしていただくとしても、それ以外の事で「やってください」と無理にさせず、柿の渋抜きのように“教えてあげる”という気持ちを持ってもらい、昔を思い出しながら明るい表情で取り組んでいただけるようにできたらと思います。介護をする私たちは本当は知っていても“わからない、できないから教えて下さい”と時には俳優のように演技することが必要かもしれません。