介護マガジン
ホームヘルパー長谷川華子の「ハツラツデイワーク 奮励記」
2008/10/28 縫い物
軽度の認知症のある92歳になる女性のご利用者様がいらっしゃいます。来所時はいつもラジオ体操に参加されるのですが、体操が終わった後は「眠たい、しんどい」と言われ、ベッドで休まれています。高齢であることから、ご利用者様の身体に無理のないように過ごしていただいています。
先日も午前中から、かかしコンテストに参加するためのかかし作成に、来所されたご利用者様と共に取り組んでいました。昼食後はテレビを見たり、横になって休まれたりとご利用者様はそれぞれにのんびりとした時間を過ごされていました。その間に、ご利用者様ではなかなかできない縫い物を職員でする事になりました。認知症のあるご利用者様は職員が縫い物をしている側のベッドで休まれていました。しばらくすると目を覚まされ「何をしているの?」と起きてこられました。「縫い物です」と伝えるとスルスルと寄ってこられました。いつもは他のご利用者様や職員がしていることにも興味を示さず、ほとんどベッドで休まれているのですが、その日は違いました。以前に着物を縫っていたと話をされていた事を思い出し、ご利用者様に「縫っていただけますか?」と声をかけました。すると、渡した針を持ち無言で縫い始めました。昔されていた着物づくりを思い出したようでした。目も見えにくく、手先も鈍くなり、縫った箇所は決して上手とは言えませんでしたが、いつもは何事にも興味を示さず、寝てばかりのご利用者様がご自身から起きてこられ、進んで興味を示された事はとても喜ばしい事でした。
