介護マガジン
ほっとライン寄席
Vol.68 ●「電話って便利?」
え〜。どうも、お寒うございます。
先日は、初雪で外出するのをやめようかと思いましたが、都心の雪もなかなかいいものですね。積らなくてよかったです。子供達は、ガッカリしていたようですが。
以前は、雪で寄席が休みになるなんてぇことがありました。それでも強情に休まない寄席もありまして。
前座時分に苦労したことがありました。出演者が、電車が止まって出番に間に合わないのです。お客様は、どういうわけですか大雪でもおみえになるのです。お客様が入らなければ休みになるのですが、1人でもお運びになりますと開演しなければなりません。他に行くところがないのでしょうか?
前座は、寄席の進行を任されていますから大変です。次の演者がまだ来ていないので前の師匠に「つなぎ」(次の方が楽屋入りするまで長くやってもらうこと)を頼みます。
今のように携帯電話がない頃ですから、連絡の手段は楽屋の一本の電話しかありません。この電話が鳴るのが待遠しいこと。どうしてもダメな時は、前座が出ます。最初にもうしゃべっていますから、お客様も「また出てきたよ」というような顔をなさいます。この辛い事といったらありません!今は携帯電話がありますから前座も楽になりました。
でも、,困ったこともあります。客席でよく電話が鳴るのです。噺をしている時に鳴りますと、せっかくお客様が集中してついてきているのにその音で、お客様の集中力が途切れてしまうのです。なかには、その場で電話に出る方があります。それもいい歳の方が。本当に寄席でしゃべり始めます。しゃべっているのは私なのですが・・・。当然他のお客様もその会話を聞きます。私も気になるから、しゃべるのをやめて聞いたりなんかして。
「あっもしもし。えっどこにいるって。今ね寄席にいるんだよ。落語聞いてるの。何?おもしろいか?おもしろくねぇから電話に出たんだよ!」
寄席のお客様が全員、うなずいたりなんかします。本当にお客様は正直です。
電話の小咄を。
「もしもし。もしもし。」
「もしもし。」
「もしもし。もしもし?」
「もしもし。」
「もしもししか言わないんですが、誰なんでしょうか?」
「じゃあ、カメさんだろう」
「もしもし。この電話くさいんですけども」
「こうしゅう(口臭)電話です」
くれぐれも客席で電話に出ないでください。咄家が驚いちゃいますから。
