介護マガジン

ほっとライン寄席

Vol.73 ● ちりとてちん

え〜。いっぱいのお運びで、楽屋一同、気も狂わんばかりに喜んでおります。

最近、寄席や落語会のお客様が大変増えてまいりました。どうやら落語が“ブーム”のようなのです。

テレビドラマや映画で、噺家がとりあげられて、その影響のおかげです。本当にありがたいことです。

最初のきっかけは、テレビドラマの「タイガー&ドラゴン」です。TOKIO(トキオ)の長瀬くんが、シブイ噺家を演じました。このおかげで若い女の子が寄席に来るようになったのです。

その後が、映画の「しゃべれどもしゃべれども」この主役の噺家をなんと、またまた、TOKIOの国分くんが演じました。これでもうひと世代上の女性が、寄席に来るようになったのです。本当に、TOKIOのおかげです!噺家一同、TOKIOのメンバーに足を向けて寝ることはできません。ただ、どこにお住まいか、わかりませんので、ひと晩中ぐるぐるまわっていますが・・・・・・。

ただ困ったことも起きました。寄席に来る若い女の子が切符売場で

「すいませ〜ん。今日は長瀬くんと国分くんは、出ていますかぁ?」

“木戸銭2,800円でTOKIOが出ているわけねぇだろ!”
そんな勘違いしたお客さんもいましたが、少しずつお客様が増えてきました。

そしてダメをおしたのが、NHK朝の連続ドラマの「ちりとてちん」でした。さすが全国区NHK!

ここで世代を超えて大勢の方が、寄席におみえになりました。

このドラマは、上方落語界を女性の噺家を中心に、描いたとてもおもしろい、よくできたドラマでした。ちなみに「ちりとてちん」は落語の演題です。

これは、お世辞のいい人と無愛想な人の対比を楽しむ咄で、
ある旦那が、お世辞のいい、ろくさんを家に呼んで料理、お酒をごちそうしていると、くさった豆腐がでてきます。ここで旦那が、くさった豆腐を無愛想で、知ったかぶりをする、きんさんに食べさせようと思い、この豆腐に七味唐辛子をたっぷりかけつぶして、赤くてドロっとした物を作ります。ビンにつめて、きんさんを呼び、これは、台湾の名物で「ちりとてちん」という食物だが知っているかと聞きます。知らないということを言わない、きんさんは「もちろん知っている大好物だ」と答えます。

「ちりとてちん」という食物「じゃ食べてごらん」と言うと負けずぎらいなきんさん、これを食べます。口の中へ入れて七転八倒の苦しみ。なんとか食べて

「あ〜うまかった!」

「いったい、どんな味がした」

「ちょうど、豆腐のくさったような味がしました」

という咄なのですが、豆腐を食べる顔、しぐさで笑わせるとても楽しい咄です。
この落語からタイトルをつけたのです。
このドラマを見ていた方が、

「私ね、このドラマ大好きで毎日見ているの。朝と昼、必ず2回見ているのよ。でも役者さんて、すごいのね、昼の方が演技がうまくなっているのよ!」

「・・・・・・。朝も昼も同じなんですが・・・」

知らないで知ったかぶりは、やめましょう!