介護マガジン
ほっとライン寄席
Vol.80 ● 釣りは高尚な趣味?
え〜。どうぞ、しばらくおつきあいを願いますが。
日本人は、昔から人や物に順位をつけるのが好きなようで、今もテレビなどで食べ物やタレントに順番をつけ喜んでいます。順位をつけられた方は、いい災難ですが…。
相撲の番付や長者番付などは、今でも残っています。
色々な番付がありますが、昔は世の中がのんびりしていましたから、馬鹿の番付をこしらえた人がありまして。西の大関をはったのが、醤油を三升飲んだ人だったそうです。醤油なんてぇものは飲んでうまいもんじゃない。
「えっ、それキッコーマン?じゃもう一杯」
なんてぇ飲む人はいません。
その醤油を三升飲んだので西の大関という。たくさん商品をもらって家へ帰って、枕元に積みあげて、喜んで寝たまんま永久に起きなかった。なるほど、馬鹿ですな。
東の大関をはったのが、釣りをしている人なんだそうで。どういうわけで馬鹿かというと、下に魚がいるかいないのかわからないのに糸をたらしている。そんなことをするなら、魚屋へ行って魚を買ってきたほうが早いから馬鹿だという。
その、もうひとつ上の横綱をはったのが何かというと、釣りをしている人を見ている人なんだそうで。これは納得できます。どうかすると1日中ジィーと見ているなんてぇ方がおりますが
「今ね、大川へ行ったら釣りをしているやつがいるんだよ。釣れやしねぇんだよ。その釣れない釣りを半日、ジィーと見ているやつがいるんだよ」
「お前ね、そんな暇なやつがいるわきゃねぇだろ」
「いや、いるんだよ」
「いないよ!」
「いるの!その証拠に最初から最後まで、そいつを俺が見てたんだから」
…どっちが暇人かわかりませんが。
また、夏場に汗をたらして、重い荷物をかついで釣りを見ている人があります。どうかすると浮子(うき)といっしょに首を動かしながら見ていますが
「ちょいと、その右の竿がひいてますよ。ほらその竿。ひいてます。」
「うるさいね、この人は。これはひいてるんじゃないの、魚がえさをなめているだけなんだから」
「いや、ひいてます!ちょっとあげてみてください!私、急ぐんですから」
急ぐなら、先に行きゃよさそうなもんですが。
釣り好きな方は、穴場さがしといって人のいない所で釣りたがる。
「今日は、あなたと穴場さがしといきましょう。人の釣っている所で釣りあげても自慢になりません。人のいない所で釣る。これが本当の釣り人ですよ。ほら、あそこごらんなさい。誰も釣ってません。ああいう所に魚が隠れてますよ」
二人で糸をたらしていると、そこを通りかかったのが地元の方で。
「おや、お二人でお楽しみですね。どうですそこ、釣れますか?」
「朝っからやってるんですがね。一匹も釣れないんですよ」
「そうでしょうねぇ〜。そこは、夕べの雨で水がたまった所ですから」
水たまりでやっても釣れるわきゃありませんが。
釣りをする人が馬鹿かどうかわかりませんが、釣れないと帰りに、魚屋へ寄って魚を買って帰る人がいると聞きました。…なるほど。
