介護ニュース
Vol.40 11月17日号
ケアマネ試験受験者数初の減少
厚労省は25日、第11回介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネジャー試験)の受験者数を発表した。
今回の受験者数は13万3,092人で、昨年に比べマイナス4.3%、5,938人の減少。第1回以来受験者数は年々増加していたが、今年初めてマイナスに転じた。申込者数も前年に比べ6,217人減少し、14万3,229人となり、7年ぶりに減少となった。
都道府県別の伸び率では昨年より受験者数が増加したのは沖縄県の11.1%、新潟県の9.2%など、10県。その他の約8割にあたる37都道府県で受験者数が減少しており、12県では2年連続の減少。特に広島、岡山、愛知、静岡の4県ではこの2年間で1割以上減っている。
| ケアマネジャー試験 受験者数の推移 | ||
| 受験者(人) | 前年比 | |
| 第1回 1998年 | 207,080 | − |
| 第2回 1999年 | 165,117 | 79.7% |
| 第3回 2000年 | 128,153 | 77.6% |
| 第4回 2001年 | 92,735 | 72.4% |
| 第5回 2002年 | 96,207 | 103.7% |
| 第6回 2003年 | 112,961 | 117.4% |
| 第7回 2004年 | 124,791 | 110.5% |
| 第8回 2005年 | 136,030 | 109.0% |
| 第9回 2006年 | 138,262 | 101.6% |
| 第10回 2007年 | 139,006 | 100.5% |
| 第11回 2008年 | 133,092 | 95.7% |
介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会
階段移動リフトなど6品目「追加品目とすべき」と提言
厚労省は10月21日東京・全国町村会館で、福祉用具給付の対象品目を判断する「第5回介護保険福祉用具・住宅改修評価検討会」(山内繁座長・早稲田大学人間科学学術員特任教授)を開き、車いすを載せた本体が階段を移動する「階段移動用リフト」や、尿だけでなく便にも対応した「自動排泄処理装置」など6品目を新たに介護保険給付対象として検討すべきとした。今後、社会保障審議会介護給付費分科会へ報告、厚労省において安全性などの検討を経て、来年4月からの実施となる見通し。
検討会が追加すべきと判断したのは、1.「起き上がり補助装置」(福祉用具貸与・体位変換器)2.「離床センサー」(福祉用具貸与・認知症老人徘徊感知機器)3.「階段移動用リフト」(福祉用具貸与・移動用リフト)4.「自動排泄処理装置」(特定福祉用具販売・特殊尿器)5.「入浴用ベルト」(特定福祉用具販売・入浴補助用具)6.「引き戸等の新設」(住宅改修・引き戸等の取り替え)――の6種。
このうち検討会は、エレベータのない多層階の居住者にニーズがあるとされた「階段移動用リフト」について、操作する家族やヘルパーなどの介助者への講習を義務づけるなど安全性の確保を要件とした。「起き上がり補助装置」も安全性確保のため「床等で用いること」を条件とすべきという意見が附された。
また「自動排泄処理装置」は、これまで特殊尿器として尿だけの処理するタイプが給付対象とされてきたが、重度の要介護高齢者の排泄では生理的に尿と便が同時に出やすいことから、両方を処理できるタイプを含めるべきとした。製品課題として衛生面の確保もあげられた。
介護保険への新採用は、市町村や福祉用具業界団体などから要望のあった用具を、介護保険の対象品目となる判断要件に照らして絞り込み、同会で検討するしくみ。
介護保険の範囲の判断要件では「自立促進や介護負担の軽減を図るもの」「一般生活用品や医療用、補装具ではなく、取り付けに工事を伴わない」「ある程度の経済的負担感のある在宅で使用されるもの」とされる。
席上、土生栄二老健局振興課長は「検討会の意見を会議給付費分科会に報告した上で手続きの見直しや安全性の確保について情報を集めながら作業をすすめる」とした。また「(介護保険の福祉用具)制度全般については、もう少し時間をかけて検討していきたい」とも述べた。
2009年度介護報酬改定3%増
1号被保険者は初年度負担増、全額免除へ
2009年度の介護報酬改定の大枠が固った。改定率はプラス3%となり、負担軽減を目的にした基金を設立して、1,200億円が投入される。
厚生労働省介護保険課によると、2009年度の本人負担分を除く保険給付額は6.9兆円を見込んでいる。
3%報酬を引き上げると約2,000億円の財源が必要となり、制度に当てはめると高齢者や40歳以上の1号、2号保険料で約1,000億円、国・都道府県・市町村で約1,000億円が、それぞれ負担増となる。
ただし、被保険者の保険料アップに関しては2年間で基金の1,200億円を投入し、急激な負担増を緩和する。1号被保険者は3%増で年間400億円強の負担増になるが、初年は基金で全額カバー、2年目は増加分の半額200億円強を基金でカバーし、2年間で650億円の負担増を軽減する。
2号被保険者には、財政基盤の弱い組合に対して総額450億円を基金から拠出。基金の残り100億円は事務費等として見込んでいる。
利用者1割負担に関しては3%アップ分は、そのまま負担増となる。2号被保険者の保険料も2009年度から多くの人が増加すると思われる。
一方残りの1,000億円は国500億円、都道府県250億円、市町村250億円の負担割合。新たに増える自治体の負担分は総務省からの超財政措置でほぼカバーされる見通し。
編集部からのコメント
介護保険制度が始まった2000年当時、全国に約3,200の自治体があったが、8年間で市町村合併が進み、さきほど市町村数は1,000を割った。地方自治体の集中と強化が大きく進展している。
市町村が保険者となる介護保険制度の施行時に、国は規模の小さい自治体に対し、安定運営のために複数自治体で広域連合を組むことを勧めた。こうした動きは市町村合併を加速させた。介護保険は地方自治・分権の試金石であるといわれるが、まさにそれを証明している。
当時の全国市長会会長で、社会保障審議会委員であった喜多洋三氏(当時・大阪府守口市長)の地元では、周辺3市(守口市、門真市、四条畷市)で「くすのき広域連合」が組まれるなど、都市部での広域連合に注目が集まった。安定的な制度運営には、より大きな自治体規模が必要という考えに基づく。
先の2006年改正で「介護予防」や「地域密着型サービス」が創設されるなど、介護保険費の抑制と、地方への指定・指導権限の強化が反映された内容となった。財源の確保や、本格的な高齢社会の到来に備えるためには、都市部も地方も関係なく、全国的に地方自治を担う自治体規模が求められるようになる。
来年4月には岡山市の政令市移行が閣議決定。さらに数年以内には熊本市、神奈川県相模原市の移行も確実視されている。
次にやってくるのは、道州制(都道府県を解体・合併して「道州」をおき、地方自治を担う基礎自治体を束ねる)ではなかろうか。ほんの数年前は絵空事だったが、現実味を帯びてきたように感じている。
(編集部:堀田)
情報提供:シルバー産業新聞 
